古代の迷宮、クノッソス宮殿~The Palace of Knossos in Crete【ギリシャ2019 #9】

2020年6月19日金曜日

ギリシャ ギリシャ旅行2019 クレタ島

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紀元前20~紀元前12世紀に栄えたエーゲ文明は、19世紀なかば以後、ドイツのシュリーマンたちの発掘によって明らかになりました。

イギリスのエヴァンズは、エーゲ文明のはじめの最大の中心地であったクレタ島で発掘して複雑な構造をもつクノッソス宮殿を発見しました。





ギリシャ神話のなかで、ミノス王のミノタウロスが住み、脱出不可能と言われた迷宮がこのクノッソス宮殿であったと考えられています。

クノッソス宮殿の模型、イラクリオン考古学博物館


ちなみにギリシャ神話の中では、アテナイの英雄テセウスがミノタウロスへの捧げものとして贈られる生贄(少年少女それぞれ7名)に志願し、迷宮に入り込んでミノタウロスは倒されてしまいます。そのあと、テセウスは迷宮の奥に入りこむときに垂らしていたアリアドネーにもらった糸をたどって迷宮から脱出しました。





当時はまだ青銅器文明の段階でしたが、宮廷の人々やいきいきとした動物や魚を描いた壁画や壺絵などから写実的で華やかな文化を持っていたことが分かります。





祭祀を行っていた場所だと考えられている所。





色彩を補った壁画のレプリカがあるので、カラフルに装飾されていたことがうかがえます。オリジナルの壁画はイラクリオン考古学博物館に保管されています。





上ったり下りたりと複雑な構造。個々の部屋は小さめ。





玉座の間。架空上の動物グリフィンが描かれた赤色の壁が特徴的です。右側の壁の真ん中にあるのが玉座で、その前に水盤が置かれています。





国際司法裁判所の裁判長の椅子は、ミノス王が最初の裁判官だったとしてこの玉座を模して造られたそうです。









玉座の間のある建物。入るまで、少し並びました。





順路から少し外れたところにあって、あやうく見落としそうになった王妃の間。

生き生きと泳ぐイルカが描かれています。イルカの水色と背景の黄色が爽やかで軽やかな印象。イルカの間に赤や青の小さな魚が泳いでいたり、壁画の上下にはウニの塊のようなサンゴがあります。





建物はコンクリートで補強され、壁画などは考古学博物館に保管されているためにここで見られるのはレプリカですが、それでもこのような入り組んだ構造をもった建築物が紀元前20世紀頃から建てたられたものだと思うと身震いしました。


クノッソス宮殿
The Palace of Knossos
Knosos, Kreta 714 09 Griekenland



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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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