ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロを所蔵する、憧れのウフィツィ美術館【イタリア旅行2021 #12】

2022年7月4日月曜日

イタリア旅行2021 ウフィツィ美術館 カフェ ダ・ヴィンチ フィレンツェ ミケランジェロ 美術館

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西洋美術好きの憧れの美術館、ウフィツィ美術館についに来ました!

滞在時間6時間以上。夢のようでした。

ウフィツィ美術館の館内マップには全室廻って2時間以上とあったから覚悟してたけど、まさか6時間もいるとは思いませんでした。


館内マップはこちら
「MUST-SEE(要チェック)」の部屋に♥マークついてるの、かわいい。 
  

個人的に私が実物を見られてよかったと思ったのが下の作品。

Giotto di Bondone, Madonna and Child Enthroned with Angels and Saints. 'Ognissanti Maesta', c. 1306-1310


ジョットの唯一の板絵といわれる《荘厳の聖母》。

ルネサンス期の始まりの一枚ともいわれていて、それまで平面に様式で描いていたものが現実に基づいて描かれています。

分かりやすいのが聖母マリアのローブの膝の部分。右ひざが突き出しているように見えて、体の量感がわかります。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               

次に見られてよかったと思ったのが、ボッティチェリの作品。

先のジョットの作品もだけど、実際の大きさがわかるってとても大事なことだと思いました。迫力が違うし、図録やディスプレイから受ける印象とはまるで違います。 


Sandro Botticelli, Primavera, c. 1482

思っていたよりもずいぶん大きく大迫力だった《春》。

高さ 203 cm ×幅 314 cmもあるので、描かれた人物たちは等身大ぐらいの大きさです。

書き込みも細かくて、中央に立つ女神ヴィーナスの無地に見えるヴェールが模様が入っていたり、ヴィーナスの右側に立つフローラが来ている花柄のドレスを半袖じゃなくて実は手首まで薄布が覆っているだとか、新たな発見がたくさんありました。

Sandro Botticelli, The Birth of Venus, c. 1485

反対に、思っていたより小さいと思ったのが《ヴィーナスの誕生》。

高さ 172.5 cm × 幅 278.5 cmもあるので決して小さくはないのですが、《プリマヴェーラ》より小さくてびっくりしました。


Fillio Lippi, Madonna and Child with Two Angels, c. 1460-1465

柔らかな布の表現が繊細で美しかったフィリッポ・リッピの作品。


柔らかな薄布の美しさが素晴らしい。

Andrea del Verrocchio and Leonardo da Vinci, THe Baptism of Christ, c. 1470-1475

ヴェロッキオ工房にいたレオナルド・ダ・ヴィンチが、左側のキリストのローブを捧げ持つ幼い天使を描いたとされる作品。

柔らかく優雅な顔の表情や繊細な髪の毛の表現が、ヴェロッキオの厳しい描写のなかで際立っています。

パリのルーブル美術館のレオナルド・ダ・ヴィンチ展で見たヴェロッキオの《トビアスと天使》にレオナルド・ダ・ヴィンチが描いたとされる魚と犬の表現と同じような印象を持ちました。

Leonardo da Vinci, Adration of the Magi (San Donato in Scopeto), c. 1482

あちこちの美術館で下絵を見てきたので、未完成作品ではあるもののようやく本物が見られて感動しましました。


Leonardo da Vinci, Annunciation, c. 1472

中央の消失点に吸い込まれそうになりました。

Michelangelo Buonarroti, Holy Family, known as the "Doni Tondo", 1505-1506

これはミケランジェロの板絵のなかで唯一完成された作品です。

手前に座る聖母マリアが背を反らしながら肩越しにキリストを背後のヨセフから受け取っている(渡している?)複雑な体勢なのに、ゆがみなく描き切っています。

Raffaello Sanzio, Mary, Christ and the young John the Baptist, known as the "Madonna of the Goldfinch", Before Februray 1506

ボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチといった個性の強い作品の後にラファエロの作品を見ると、画面からあふれるやさしさや慈愛といったものに癒されました。


Roman Art, Boar, B.C. 2nd-1st century 

ウフィツィ美術館のマスコット的彫刻のイノシシ。

ここで、2フロアある展示室のうちの1フロア(3階部分)が終わります。

この彫刻の左側の通路を進むとカフェがあります。

素晴らしい作品のオンパレードでくたくたになって「もう1フロア見るのは体力・集中力ともに無理かも…」と思っていたところだったので、吸い込まれるようにカフェへと入っていきました。

カフェについてはこちらの記事でどうぞ。

カフェを出て、すこし廊下をもどったところから、階段で二階へと降りて、第二ラウンドがスタートです。カフェ横の階段を降りると途中退場の出口につながるので、間違ってここで出てしまわないように注意してください。(私は出そうになりました!)


Parmigianino, Madonna and Child with Angels (Madonna with the long neck), 1534-1540

実際に見ても、いろいろ長かった。


Titian, Venus of Urbino, 1538

当時は裸体を描くときには、現実世界の女性ではなく「女神」だから許容されていたのですが、この作品のヴィーナスは女神らしさをぎりぎりまで取り去って官能的な「女性」として描かれています。

とくにこちらを見る視線が挑発的です。


Cravaggio, Medusa, 1597

卓越した顔の表現ですが、複雑に絡み合った蛇もすごい。

そういえば、この作品の様に大きな口を開けていても歯が描かれて作品て、あまりありませんね。



ななめからみてもこの迫力。


Caravaggio, Bacchus, c. 1598

この濃厚な官能性よ…。

右下を切り取っても静物画として成立する果物の完成度にも目を見張りました。



14世紀のジョットから16世紀のカラヴァッジョまで、層の厚いイタリア美術に圧倒されたウフィツィ美術館でした。



美術館を出た後には、おいしいジェラート!


ウフィツィ美術館 Galleria degli Uffizi
The Uffizi | Uffizi Galleries



「イタリア旅行2021」をはじめから読む

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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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