あまりのリアルさに思わず身震い、ハイパーリアリズム彫刻~Hyperrealism Sculpture @Kunsthal

2018年3月26日月曜日

Kunsthal ロッテルダム 展覧会

t f B! P L
異様な光景が広がった展覧会でした。

Kunsthalのハイパーリアリズム彫刻の展覧会です。オススメしたいですが、裸体とか生々しい表現が苦手な方にはちょっと厳しい内容です。

ここ数十年、彫刻の分野で、ポップアートの反動として、スーパーリアリズムが注目されるようになりました。この分野のスーパースターはロン・ミュエクです。


彼の作品を初めて見たのは、2002年に大阪・国立国際美術館で開催された「現代美術への視点 連続と侵犯」展でした。そのときに見たのはオムツをつけた大きな赤ちゃんでした。

そのとき以前も気になるアーティストのひとりで、よく図録などで彼の作品を見ていました。図版でも実物のようであったのに、作品はより一層生々しく迫ってきて、今でも見たときの強烈な印象が残っています。


Kunsthalで展示されていた赤ちゃんはさらに大きく、5メートルもあります。

この赤ちゃんのオブジェクトから発せられるパワーはすさまじいものでした。産声を上げる直前の溜め込まれたパワーを感じました。


体液で濡れた身体、ヨダレで光る口元、ベッタリと張り付いた髪の毛、そしてまだ繋がっているへその緒。

ほかのミュエクも作品と比べると大味な印象を受けましたが、それでも爪や毛の表現が見事です。

外に発するインパクトが特徴のミュエクと対照的に、内側へと引き込まれる魅力を持っているのがサム・ジンクスです。


サイズも実際の人物よりもほんの少し小さく、ありそうでなさそうなリアルな感覚を突いてきます。


精巧に表現された血管や関節の皺も見事ですが、整えすぎていない爪がリアルです。

そして、目が変になったんじゃないかと不安にさせる作品がエヴァン・ペニーの作品。


自分自身を3Dスキャンして、そのデータをパソコンで変形させてこのような現実にはないけれど、人体をもとにしたリアルな彫刻を制作しています。まさに技術の進化で生み出された新しい芸術です。

油絵具やカンヴァスの発明によって作品制作が劇的に変化したように、現代ではパソコンなどのIT技術がその革新をになっているんですね。


表面は粘土などを使って手作業で仕上げているそうですが、この髭の表現にはおもわずブルブルっと身震いしました。



Hyperrealism Sculpture
2018.03.10-2018.07.01

Kunsthal
Museumpark
Westzeedijk 341
3015 AA Rotterdam
https://www.kunsthal.nl/en/#tijdlijn-2018-01
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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