(中央)フェルメール《真珠の耳飾りの少女》 |
(左、中央)レンブラント《テュルプ博士の解剖学講義》 |
かつてマウリッツハイス美術館には美術館と博物館、ふたつのミュージアムが存在していました。
ひとつは、現在の美術館と同じく、レンブラントやフェルメール、フランス・ハルスなどの17世紀のフランドルで描かれた作品を集めた「絵画コレクション」を展示する美術館。
もう一つは、1822年から1875年までの間だけ公開されていた「王立珍品コレクション」を展示する博物館です。このコレクションは、19世紀の世界観を伝える貴重な品々を集めていました。
現在、マウリッツハイス美術館は「王立珍品コレクション」を再び集め、19世紀の世界観を現代によみがえらせようとしています。
(左)侍の鎧 1800~1823年頃 (中央)中国の磁器 |
「王立珍品コレクション」のなかで、最も大きな部屋をあてられたのは日本でした。天井まで織物や磁器、漆器など貴重な日本からの輸出品で埋め尽くされていました
とくに、上の写真の日本の鎧はこの「王立珍品コレクション」で特に重視されていたもので、このコレクションのリーフレットの表紙に取り上げられたそうです。
中央に古びたオランダ国旗があります。これは、「王立珍品コレクション」のなかでもっとも人気のあった6メートルも大きさの出島のジオラマに掲げられていたものです。
1700~1800年頃の作品 |
写真の漆器は一揃いのもので、写真左にある小さな小箱を右の花形の箱に収めて、写真中央の台座の上に載せます。
全てが調和し、きちんと収まる精巧さは素晴らしいです。
この小箱の側面にも美しい日本の動植物が描かれています。
人魚のミイラ!!
もちろん、この人魚のミイラは作りものです。犬の頭、猿の皮膚、鮭の尾などを組み合わせて作られています。
日本では人魚は繁栄や不死をもたらす不思議な力があると信じられていました。このような人魚のミイラは本物と信じられ、または作り物とわかりながらも怪しい力をもつものではないかという畏れから、お寺の宝物庫などで厳重な木箱にうやうやしく納められ、そして、なにか特別な機会に人々に公開しています。
私もこれまで何回か日本で人魚のミイラを見たことがありますが、こんな丸裸の状態で見たのは初めてです。
同じ作り物の人魚のミイラでも、畏怖の対象とする日本と、他の人形と同じように扱うオランダとの文化の違いを感じました。
(しかも、商魂たくましいオランダ人は、これが偽物だと知っていたにもかかわらず、「本物」と信じるヨーロッパ人に高値で売ったそうです。さすが商人国家…。)
ここの挙げたのは日本のものばかりですが、そのほか中国や東南アジアなど、オランダが物珍しがっていた地域の美術工芸を納めたキャビネットが並んでいました。
失われた博物館(The lost museum)
2024年9月12日~2025年1月5日
マウリッツハイス美術館
Mauritshuis
Plein 29, 2511 CS Den Haag
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