ピルグリム・ファーザーズ、オランダで知った自由と寛容~Pilgrims to America: and the Limits of Freedom @ Museum De Lakenhal in Leiden

2020年9月21日月曜日

Lakenhal ライデン 展覧会

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今からちょうど400年前、イングランド王兼スコットランド王ジェームズ1世による弾圧を恐れてメイフラワー号に乗ってヨーロッパからアメリカに渡り、プリマス植民地を設立したピューリタン(清教徒)の一団がいました。現在では、彼らは「ピルグリム・ファーザーズ」と呼ばれています。

オランダのライデンで、ピルグリム・ファーザーズについての展覧会が開催されていました。


The Candle is Lighted, 1620-1699, Museum Catharijneconvent, Utrecht

ライデンは、80年戦争中の1573~1574年にスペイン軍による長きにわたる包囲ため食料が尽きて街の人口の半分まで激減しました。その後、包囲が解かれると減少した人口を補うように移民を受け入れ、寛容な工業都市に成長しました。


Detail: The Candle is Lighted, 1620-1699, Museum Catharijneconvent, Utrecht
*ホルバインの描いたカルヴァンの横顔にそっくり。

ピルグリム・ファーザーズがライデンを亡命してきたのはこの時期です。彼らは繊維産業や印刷業で働く機会を与えられ、迫害されることなく日々の生活を送ることができました。

ライデンでの生活があまりにも居心地がよかったために、アメリカに発つのをためらったものもいたそうです。


Willem Isaacsz. van Swanenburg, after Jan Cornelisz. van Woudt, The University Library, 1610, University Library, Leiden
*17世紀のライデン大学の図書館の様子。他国では禁止されている出版物も販売され読むことができました。


ピルグリム・ファーザーズはこのようなオランダの寛容で自由な雰囲気の中で11年間の亡命生活を送った後、アメリカへと渡っていきました。


Detail: Sixty Delftware Tiles, first half of the 17th century, Museum De Lakenhal, Leiden

当時の人々の様子がタイル画に描かれています。


Detail: Sixty Delftware Tiles, first half of the 17th century, Museum De Lakenhal, Leiden

魚を売る女性。


Detail: Sixty Delftware Tiles, first half of the 17th century, Museum De Lakenhal, Leiden

身分の高い男性。立派な襟をつけています。


Detail: Sixty Delftware Tiles, first half of the 17th century, Museum De Lakenhal, Leiden

本を手に持つ男性(少年?)。17世紀のオランダの識字率はとても高く、一般市民でも聖書を読んだり手紙を書いたりすることができました。


Tile Panel with Various Figures, Holland, ca. 1625-1650, Nederlands Tegelmuseum, Otterlo

上のタイルのパネルは、ピルグリム・ファーザーズが住んでいたといわれるアムステルダムの家にあったものです。もしかしたら、彼らの姿が描かれているかもしれません。


Model of the Mayflower, 20th century

ピルグリム・ファーザーズはライデンの自由で寛容な空気の中で11年を過ごしたのち、自由の国アメリカを目指しました。彼らの理想とする「自由」の理念のなかには、ライデンで送った自由な生活が含まれていたことでしょう。


Pilgrims to America: and the Limits of Freedom
2020.06.02-2020.09.13

Oude Singel 32
2312 RA Leiden




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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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