【フェルメール】《小路》を描いた場所が特定されました!!

2015年11月20日金曜日

デルフト フェルメール

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11月19日のニュースで、フェルメールが《小路》を描いた場所が特定されたとのニュースが流れてきました。

Johannes Vermeer, View of Houses in Delft, Known as 'The Little Street', c.1658

フェルメールが《小路》をどこで描いたのかという問題に関して、これまでも専門家の間でも「ああでもない、こうでもない」と議論が行われ、最近ではフェルメールのアトリエがあった同じ通りのNieuwe Langendijkであったであろうとの説に決定打がないまま落ち着いていましたが、それがあらたに覆されました。

新たな説を呈したのは、アムステルダム大学の美術史教授フランス・グレイゼンハウト氏です。彼は17世紀オランダの黄金時代の芸術の専門家で、フランス・ハルスやヤン・ステーンについての論文を発表しています。そして彼は近年、デルフトの芸術家に焦点を当てるようになりました。

教授は《小路》の場所を特定するにあたり、17世紀デルフトの建築物に関する納税書類を徹底的に調べ上げました。当時、建物に関する税金は建物の間口の広さによって決まっていたので、税金額が分かれば、家や門の幅が同定できるからです。その結果、教授はフェルメールが《小路》で描いた場所は、Vlamingstraat 40-42と結論付けました。



過去に撮影した写真を探してみると、すこしだけその場所が写っているものがありました。上の写真を見てください。真ん中に教会のような建物の左側に、白い柱の建物と茶色のレンガ造りの建物があります。そのふたつの建物がある場所がVlamingstraat 40-42です。

写真を見ても、フェルメールの作品に描かれた建物の面影はありません。現在そこに残っている建物は19世紀に建てられたものだからです。

今回のグレイゼンハウト氏の発表をもとに、展覧会「フェルメールの帰郷(Vermeer komt thuis)」がデルフトのプリンセンホフ美術館で、2016年3月25日から7月17日まで開催されます。そして、この展覧会になんと!《小路》が展示されます!!

来年のデルフトは、例年以上にフェルメール愛好家の人たちで溢れかえりそうです。


「フェルメールの帰郷(Vermeer komt thuis)」
2016.03.25-07.17
Museum Prinsenhof Delft
http://www.delft.nl/Inwoners/Nieuws_2015/Vermeer_komt_thuis

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【フェルメール】フェルメールが《小路》を描いた場所~Vlamingstraat 40-42, Delft→こちら



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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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