アルベルティーナ美術館でデューラー《野兎》は不運にも見れなかったけど、モネの《睡蓮》とピカソの「青の時代」の作品は見れました~The Albertina Museum in Wien【ウィーン旅行_#8】

2023年12月13日水曜日

ウィーン ウィーン旅行2023 ミケランジェロ 展覧会 美術館

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ウィーンには、世界最大かつ重要な素描コレクションを有するアルベルティーナ美術館があります。その数なんと100万点!途方もない数です。このコレクションには、デューラーやミケランジェロ、レンブラントやシーレ、クリムトなど数多くの巨匠の作品が含まれます。

そのなかでも、もっとも人気があるのがドイツルネサンスの画家デューラーが描いた《野兎》。それを見るのを楽しみに訪れました。

Albrecht Durer, Hare, 1502, Watercolour, body colour, Facsimile, Albertina

ところが、私の情報収集の甘さと不幸な偶然が重なり、この日は見られませんでした…。

美術館を訪れた水曜日は夜間開館が行われていて9時まで開いていたので、ゆっくりと展覧会とそれに続く常設展を見ていたら、いつのまにかデューラーの作品がある部屋が開館中にもかかわらず閉鎖されてしまったのです。部屋のなかでは新しくオープンする展覧会のプレス発表が行われているようでした。閉じられた扉の前では、何人もの来館者が私と同じように「Oh...」と肩を落としていました。

どうしてもデューラーの作品が見たかった私は次の日にリベンジするのですが、この記事ではデューラーの作品が今日は見られないとわかる前の様子をお伝えします。



私がアルベルティーナ美術館に訪れたときは「ミケランジェロとその先」展と「モネからピカソ」展が開催されていました。



この廊下の先の階段を昇って左手の部屋にデューラーの作品が展示されています。先に行っておけば…。


Michelangelo, Studies for the Ligyan Sibyl, c. 1510/11, The Metropolitan Museum of Art, New York

「ミケランジェロとその先」展はミケランジェロの身体の再発見とその後の裸体による身体表現に焦点を置いた展覧会です。

ミケランジェロが生涯追い求めた人間の裸体の描写と、ミケランジェロの身体表現を理想として模倣する画家たち、そしてミケランジェロ的身体表現を発展させて解剖学的にはありえない場所まで奇妙にボコボコと発達した筋肉を描いた画家の作品。一方、レンブラントは理想化されていない現実のだらしない身体を描き、シーレは身体そのものというより剥き出しの自我を描くためのモティーフとして身体を描きました。

16世紀から20世紀までの作品を通して、人間の裸体表現の始まりから、隆盛、衰退、転換までを見ることができます。

アルベルティーナ美術館ではもうひとつ、常設展ののような形で所蔵するBatlinerのコレクションを中心に「モネからピカソまで」が開催されていました。

とても充実した展覧会で、見れてとてもラッキーでした。


Claude Monet, The Water Lily Pond, c. 1917-1919, Albertina - Sammlung Batliner

おそらく、モネが一つの部屋を「睡蓮」を描いた大きなカンバスで埋め尽くす「大装飾画」を構想していたときの作品。

水面に浮かぶ睡蓮と、そこに映る柳の木と空を描いています。


Augusto Giacometti, Peace, 1915, Albertina - Sammlung Batliner

上のジャコメッティの油絵の表面が彼の彫像と同じマティーエルなのと、こんなにも色が使われているのを見たことのないかったのでちょっと驚きました。



Alberto Giacometti, Four Woman on a Plinth, Albertina - Sammlung Batliner

後ろの影に映る影も含めてジャコメッティ。


Oskar Kokoschka, Dresden, Augustus Bridge with Steamer, 1923, Albertina - Dauerleigabe Thomas Kirch Stifung SbR, Munchen, Coutesy Peter Eltz, Salzburg

オーストリアの画家、ココシュカの作品。この風景画はとても好きです。


Pablo Picasso, Sleeping Drinker, 1902, Kunstmuseum Bern

ピカソの青の時代の作品《眠る酒飲み》です。

おそらくこの描かれている女性は売春婦かホームレスと言った虐げられている人でしょうが、聖母マリアの青衣のマントで彼女を包み込んでいます。箱根にあるポーラ美術館やアサヒビール大山崎山荘美術館が所蔵している作品にもおそらく同じ女性が描かれていますね。

アルベルティーナ美術館ではピカソの作品はこの初期の青の時代の作品からキュビスム時代、晩年までの作品が展示されていました。



充実したふたつの展覧会を見た後に、デューラーの《野兎》が展示されている部屋が閉鎖されていることに気付き、肩を落として美術館を後にしました。




Michelangelo and Beyond
2023.09.15-2024.01.14

Monet to Picasso-The Batliner Collection

Albertinapl. 1
1010 Wien





 
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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