襟のレースから見る、オランダ絵画~Lace @Rijksmuseum in Amsterdam

2018年1月29日月曜日

アムステルダム アムステルダム国立美術館 ファッション レンブラント 展覧会

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黒一色の服を着ていることの多い16世紀、17世紀のオランダ絵画のなかで、真っ白な襟はとても存在感のあるアイテムです。

そのときどきの流行によって襟の形が変わってくるので、襟を観察するだけでどの時代に描かれたものか、または描かれた人物がファッションの流行に敏感な人物なのか、それともコンサバな人物なのかが分かります。

Rembrandt van Rijn, Militia Company of District II under the Command of Captain Frans Banninck Cocq, Known as the ‘Night Watch’, 1642

これは1642年に描かれたレンブラントの《夜警》です。中央に立つ赤い布を肩から掛けたフランス・バニング・コック隊長は30年代から流行しだしたやわらかく平たい襟を付けています。

一方、画面右にいる黒い帽子をかぶって右手を挙げている人物の襟は、スペインから1600年代に渡ってきた、ひだをふんだんに寄せた襟をしていて、コンサバな人物だということがわかります。

また、後ろに建つ人物の襟に比べて、コック隊長の襟は繊細なレースが贅沢に施されているので財力のある人物であることがうかがえます。

アムステルダム国立美術館では、2018年7月22日まで「レース」をテーマにした小展示のなかで、レースが施された襟が2枚展示されています。

Collar of Linen and Bobbin Lace with Flowerpots, The Netherlands, c. 1630-1640, Rijksmuseum

Collar of Linen and Needle Lace, lace: Italy, c. 1625-1640, Rijksmuseum

上がオランダで制作されたボビンレースの襟で、下のレース部分はイタリアで制作されたニードルレースのものです。


同じ時期に制作されたレースですが、デザインに違いがあります。

オランダのほうは全体的に平らで目が詰まっていて自由な曲線を描いていますが、イタリアのほうは幾何学模様で透けるようなデザインです。


後ろから見ると、ふたつの襟の印象が全く違うのが分かります。





Lace
2017.06.24-2018.07.22

アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum
Museumstraat 1
The Netherlands
1071 XX Amsterdam
https://www.rijksmuseum.nl/en
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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