レンブラント作品の特徴に硬質な金属の輝きがあると私は思っています。金属の装飾ひとつひとつがカリッとした鋭い光を放っていて、豪華なアクセサリーを構成しています。
とくにこの頃は、顔の表現よりも装飾物の質感表現に注力していた様です。
とくにこの頃は、顔の表現よりも装飾物の質感表現に注力していた様です。
Self-Portrait, 1635, The National Trust, Buckland Abbey, Yelverton(UK) |
レンブラントが生涯取り組んだ自画像。羽のついた帽子とベルベットのマントを羽織っています。左上から差し込む光が彼の肩を白く照らしています。
Detail: Self-Portrait, 1635, The National Trust, Buckland Abbey, Yelverton(UK) |
レンブラントにとって自画像は絵画技術の習得するための練習であり、肖像画の注文主に見せるカタログのような役割を担っていました。
注文主は肖像画を描いてもらうときには、自分の富の証明でもあるので、所持する衣装やアクセサリーの中でも最もよいものを身に着けます。
ですので、画家にとって注文主が身に着けている一張羅をいかに忠実によりよく描けるかというのが腕の見せ所でもあり、また、それがうまく描けるの画家が人気の肖像画家でありました。
The Abduction of Proserpina, ca.1630-1631, Gemaldegalerie, Staatliche Museem zu Berlin |
冥府を司る神プルートとプロセルピナが描かれています。プルートがプロセルピナに恋をし、彼女を冥界へと連れ去ろうとしているところです。
冥府の闇と対照的に眩しい青空が描かれています。この青色には高価なラピスラズリが使用されています。
Detail: The Abduction of Proserpina, ca.1630-1631, Gemaldegalerie, Staatliche Museem zu Berlin |
Detail: The Abduction of Proserpina, ca.1630-1631, Gemaldegalerie, Staatliche Museem zu Berlin |
この頃、レンブラントは友人であり画家仲間であるヤン・リーフェンスと切磋琢磨で腕を磨いていました。彼らの作品を見比べてみると共通のモティーフが描かれていることがあります。
Rembrandt, Music Makers, 1626, on loan to Museum De lakenhal, Leiden from Rijksmuseum, Amsterdam
レンブラントが描いた上の作品の、右上にいる老婆が頭に被っている布が、
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Rembrandt, Music Makers, 1626, on loan to Museum De lakenhal, Leiden from Rijksmuseum, Amsterdam |
Jan Lievens, Old Woman Reading a Book, ca.1625, on loan to Museum De lakenhal, Leiden from Rijksmuseum, Amsterdam |
Rembrandt and Gerrit Dou, Prince Rupert of the Palatinate with his Tutor, ca.1631 |
レンブラントがこの作品を未完成のままライデンに置いてアムステルダムに去ってしまったため、弟子であるヘラルト・ダウが引き継いで仕上げたものです。
ダウはレンブラントよりも柔らかく、繊細で精巧な表現をします。なので、男性の顔はレンブラントが描き、真珠のように輝く女性の顔はダウが仕上げたものではないかなと想像しています。
「青年レンブラント」展に集められた作品は小ぶりな作品が多く、1632年に描いた《テュルプ博士の解剖学講義》が破格の大きさ(216.5x169.5cm)だったということが分かります。《テュルプ博士の解剖学講義》を描いて一躍流行画家になったレンブラントは生まれ故郷のライデンを離れてアムステルダムで活躍し、画家としての地位を確立しました。
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2019.11.02-2020.03.09
Museum de Lakenhal
Oude Singel 32
2312 RA, Leiden
https://www.lakenhal.nl/en
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