ルーブル美術館で先週末まで開催されていた「レオナルド・ダ・ヴィンチ」展。
完全時間予約制のチケットは追加チケットも含めて飛ぶように完売し、ルーブル美術館が展覧会最終3日間をぶっつづけで開館することを決め、さらに3万枚の(無料!)チケットを販売しました。果たして、どれだけの人が展覧会に殺到したのか、美術館の公式発表が楽しみです。
(追記)107万1840人がレオナルド・ダ・ヴィンチ展に訪れ、ルーブル美術館の入場者数1位を記録したそうです。2位は2018年に開催されたドラクロワ展の54万人なので、およそ2倍の入場者を集めました。
世界中の人がこの展覧会を目指してルーブル美術館に押しかけるというのもダ・ヴィンチというビッグネームの展覧会ということと、現存する絵画作品約15点中10点が見られるという超貴重な展覧会であることを考えれば、当然といえば当然のことです。
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こちらも深夜を通じて開館した伝説の展覧会。
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ルーブル美術館で展示されていたレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画作品は以下の10点です。( )内の数字は展覧会の作品番号です。
1(39).レオナルド・ダ・ヴィンチ《ブノアの聖母》、エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク
2(56).レオナルド・ダ・ヴィンチ《荒野の聖ヒエロニムス》、ヴァチカン宮殿
3(58).レオナルド・ダ・ヴィンチ《岩窟の聖母》、ルーブル美術館、パリ
4(64).レオナルド・ダ・ヴィンチ《音楽家の肖像》ピナコテカ・アンブロジーナ、ミラノ
5(67).レオナルド・ダ・ヴィンチ《ミラノの貴婦人の肖像》または《ラ・ベル・フェロニエール》、ルーブル美術館、パリ
6(135).レオナルド・ダ・ヴィンチと工房《糸車の聖母》、個人蔵
7(136).レオナルド・ダ・ヴィンチと工房《糸車の聖母》、スコットランド国立美術館、エディンバラ
8(163).レオナルド・ダ・ヴィンチ《聖アンナと聖母子》、ルーブル美術館、パリ
9(173).レオナルド・ダ・ヴィンチ《洗礼者聖ヨハネ》ルーブル美術館、パリ
10. レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》(ジョコンダ)ルーブル美術館、パリ
*《モナ・リザ》は展覧会場ではなく、常設展示室にありました。
Benois Madonna, 1478, Hermitage Museum, Saint Petersburg |
そこで、私は最初の部屋はスルーして、一目散にダ・ヴィンチの絵画作品まで進みました。すると、まだパラパラとしか人がおらず、ちょっと待てば一番前の正面から観賞できました。
まずは上の作品、《ブノアの聖母》。ヴェロッキオのもとで徒弟修業を積んでいたレオナルドが画家として独り立ちして最初に描いた作品だと言われています。
柔らかい布の陰影に比べて、キリストの肉のしわが深く入っている印象。二の腕や太もものしわがぷにぷにとした肉感を強調して、ボリューム感たっぷりです。ぎこちない指の仕草とともにあどけなさを感じます。
La belle ferronnière, ca.1490-1497, Musée du Louvre |
《ミラノの貴婦人の肖像》または《ラ・ベル・フェロニエール》。
ダ・ヴィンチが描いたかどうか帰属の問題が取りざたされていた作品ですが、ルーブル美術館は今回の展覧会でダ・ヴィンチの作品であると表明しています。
艶やかなストレートの髪、まっすぐこちらを見つめる瞳、きりりと結んだ唇。暗い背景から浮かび上がる彼女からは強い意志を感じられます。少し硬い印象を持ってしまいますが、ふっくらと盛り上がる柔らかいデコルテがその印象を和らげています。
Leonardo da Vinci and workshop, The Virgin and Child, known as the Virgin of the Yarnwinder or the Lansdouwne Madonna, ca.1501-1510(?), Private Collection |
《糸車の聖母》と呼ばれる2作品。これらの作品を撮影したX写真で下書きを比べてみると、上の作品の書き込みが多かったので先に手掛けたのはそちらだったようです。完成作品の背景の書き込み方も全然違いますね。
下の作品のX線写真を見ると、聖母やキリストの鼻梁の横幅が広くて、私のイメージするダ・ヴィンチが描く顔とちょっと違うかなという気がしました。
Workshop of Leonardo da Vinci, Salvator Mundi (Ganay version), ca.1505-1515, Private Collection, Former Collection of the Mrquis de Ganay |
史上最高額で落札された話題の《サルバトール・ムンディ》と同名の、別の作品です。この作品はおそらくダ・ヴィンチの指導の下、弟子が描いたものだそうです。
スフマートが効果的に使われていませんが、ラピスラズリなど高価な絵の具が使われていています。
今世紀最大の展覧会ともいわれる「レオナルド・ダ・ヴィンチ」展。デッサンばかりで拍子抜けしたというあまりよくない評判もありますが、個人的にはこれだけのダ・ヴィンチを作品を一度に見比べられたことはとても貴重な体験でした。
《受胎告知》や《最後の晩餐》を見れば、ダ・ヴィンチ作品の全点踏破もできるかもしれないという夢が広がりました。
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