13世紀の宗教画がこんなに!シエナ派展~Paintings from Siena, Bozar in Brussels

2014年10月20日月曜日

BOZAR ブリュッセル

t f B! P L
13世紀から15世紀にかけて、ルネサンス期のイタリアのシエナを中心に活動した画家たちの作品60点を集めた展覧会がベルギー・ブリュッセルのBOZARで開催されています。同時開催のルーベンス展のついでに訪れたのですが、興味深い作品が多く、時間をかけてゆっくり鑑賞しました。

シエナ派の同時期にはヴェネツィア派、フィレンツェ派がいるのですが、それらに比べて装飾的で理想主義的な画風が特徴です。テーマもどちらかというと奇跡などを非現実的なものを好み、色彩も幻想的です。代表的な画家はシモーネ・マルティーニやチェンニーノ・チェンニーニです。

Simone Martini, Maria met Kind, 1300-1310, Siena, Pinacoteca Nazionale
金箔にほられた装飾的な文様に豪華さを増しています。キリストや聖母マリアの光背にボコボコとかつては宝石がはめ込まれていたであろう穴があって、本来の姿はもっと煌びやかなものだったんだろうなと想像できます。

当時は識字率が低かったので、宗教画は「物語る聖書」の役割を担っていましたから、聖書の一節の説明的な絵が多かったです。「最後の晩餐」や「キリストの磔刑」「最後の審判」といったよく知られた場面が多かったので、あまり聖書に親しくなくても理解できました。

Giovanni di Paolo di Grazia, Het Laatste Oordeel, het paradijs en de hel, c.1460-1465, Siena, Pinacoteca Nazionale


一番時間をかけて見たのは最後の審判を描いた作品です。中心にキリストが座っていて、彼の左手に天国、右手に地獄が描かれています。天国のほうは聖職者と裕福な人たちが庭園で優雅におしゃべりをしていて、地獄のほうでは厳しい責め苦を受けています。素朴な画風ですが、十分地獄の恐ろしさが伝わってきますので、これを見た昔の人は本当に怖かったと思います。

これだけのシエナ派の作品が見れる機会は貴重です。




Paintings from Siena: Ars Narrandi in Europe's Gothic Age
2014.09.10 - 2015.01.25

BOZAR, Centre for fine Arts
Rue Ravenstein 23
1000 Bruxelles
https://www.bozar.be/activity.php?id=14090&lng=en
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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