シエナ派の同時期にはヴェネツィア派、フィレンツェ派がいるのですが、それらに比べて装飾的で理想主義的な画風が特徴です。テーマもどちらかというと奇跡などを非現実的なものを好み、色彩も幻想的です。代表的な画家はシモーネ・マルティーニやチェンニーノ・チェンニーニです。
Simone Martini, Maria met Kind, 1300-1310, Siena, Pinacoteca Nazionale |
当時は識字率が低かったので、宗教画は「物語る聖書」の役割を担っていましたから、聖書の一節の説明的な絵が多かったです。「最後の晩餐」や「キリストの磔刑」「最後の審判」といったよく知られた場面が多かったので、あまり聖書に親しくなくても理解できました。
Giovanni di Paolo di Grazia, Het Laatste Oordeel, het paradijs en de hel, c.1460-1465, Siena, Pinacoteca Nazionale |
一番時間をかけて見たのは最後の審判を描いた作品です。中心にキリストが座っていて、彼の左手に天国、右手に地獄が描かれています。天国のほうは聖職者と裕福な人たちが庭園で優雅におしゃべりをしていて、地獄のほうでは厳しい責め苦を受けています。素朴な画風ですが、十分地獄の恐ろしさが伝わってきますので、これを見た昔の人は本当に怖かったと思います。
これだけのシエナ派の作品が見れる機会は貴重です。
Paintings from Siena: Ars Narrandi in Europe's Gothic Age
2014.09.10 - 2015.01.25
BOZAR, Centre for fine Arts
Rue Ravenstein 23
1000 Bruxelles
https://www.bozar.be/activity.php?id=14090&lng=en
0 件のコメント:
コメントを投稿