ヘンク・フィシュはオランダ出身の作家で、昨年第13回ヴィルヘルミナ・リング賞を受賞しました。その受賞を記念して開催しているのがこの「法廷でのダンス」展でした。
フィシュは今年初めに東京のワコー・ワークス・オブ・アートでパレスチナ出身のアーティストたちを支援する展覧会をキュレーションしていました。
東京では「現在の戦争」に、オランダでは「平和のために尽力した過去」にフォーカスをあて、対照的ではあるがどちらも世界平和を願っての展覧会になっていました。
ここで言及されている法廷はオランダのハーグにある国際司法裁判所のことで、国家間の裁判を行います。なので、ベルは五大陸を表していて、下の部分の水色は海、茶色は陸地で地球を表現しているかなと思いました。
このベルは争いごとに警鐘を鳴らすものなのか、平和な時代に人々が踊るダンスの音楽となるものなのか、考えてしまいます。
この展覧会は戦争と平和を考えさせる作品が多く展示されているのですが、そもそもこの展覧会のきっかけであるヴィルヘルミナ・リング賞も国際平和に関係しています。この賞の名前ともなっているオランダ女王ヴィルヘルミナはオランダで1899年に開催された第1回万国平和会議にホスト国として参加しています。
展覧会を訪れてから2か月たっても世界上は変わっていません。世界が未来の平和について前向きに考えられる日が早く来ることを願います。
フィシュの作品と作品名、ヴィルヘルミナ・リング賞やオランダの過去の歴史、そして、同時期に日本で開催されていたパレスチナ出身のアーティストたちを支援する展覧会など、それぞれの情報がレイヤーのように重なり、連想ゲームの様に平和について考えさせられ、思考が止まりませんでした。
1室だけの展示とは思えない思考量で、見終わった後はぐったりしてしまいました。
1室だけの展示とは思えない思考量で、見終わった後はぐったりしてしまいました。
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