この美術館は1977年から16世紀と17世紀のフランドル美術のコレクションを展示しています。
建物は17世紀に活躍した画家フランス・スナイダース(1579年-1657年)が住んでいた家と、それに隣接する市長のニコラス・ロックックス(1560年-1640年)の家「Den Gulden Rinck(黄金の指輪)」を一つの建物として繋げて作られました。
Frans Snijders, Wild Boar Hunt |
その後、狩猟風景や野生動物を描くことに卓越した技術を身につけ、動物を専門に描いた最初の動物画家となりました。ルーベンスはその腕前に感心し、スナイデルに動物や静物画を依頼することもありました。
しかも、無料!
貸し出されたiPadを作品に向けると…、
画面上に表示された作品画像は拡大表示ができるし、画面も明るいので、展示室にある実際の作品よりも細部がよく見えました。大きな作品だと身長が足りなくて上の方が見えないので、この拡大機能は大変役に立ちました。
ピントが合ってない…。実際は精細な画像です。 |
この時代に描かれる猫はガリガリに痩せて厳しい目つきをで絵描かれることが多いのですが、アントワープは食べ物が豊富なのか、ふっくらとしていて穏やかな顔つきをしています。
Pieter Brueghel the Younger, Flemish Proverbs, 1595 ぼやんぼやんの画像(汗) |
ピーター・ブリューゲル(子)の《フランドルのことわざ》という作品。ことわざがふんだんに描き込まれているので、ひとつひとつ理解するのに、iPadで見る作品解説が大活躍しました。
たとえば、ここ。
これはイソップ寓話にも収録されている「キツネとツルのご馳走」だそうです。
意地悪好きのキツネがツルに「ご馳走するからいらっしゃい」と招待し、やって来た鶴にわざと平たい皿に入れたスープを差し出す。鶴はクチバシが長いため飲めない。それを見ながら狐はおいしそうにスープを飲む。
しばらく後、鶴は狐に「先日はご馳走をありがとう、今度は私がご馳走するからいらっしゃい」と言って、訪れた狐に細長い口の壷に入れた肉を差し出す。狐はクチバシがないのでそれを食べられない。それを見ながら鶴はおいしそうにクチバシで中の肉をつまんで食べる。
他人を傷つけた者は、いつか自分も同じように傷つけられる。
たとえ善意からくる行動であっても思慮が足りないと相手に受け入れられず、互いに傷つく。Wikipedia
これは解説がなければ、「なんか、かわいい~」で終わるところでした。
Jacob Jordaens, The Appointment of Peter as Chief Shepherd of the Church, c. 1616/1617 |
修復作業のため、教会から預かっているヨルダーンスの作品。
確かに画面全体が黄色い。
Deluxe Wheel of Fortune |
占いに使われた道具だそうです。上の円盤を回して、針がさした場所で占ったそうです。
これは、ルーレットのもとともなったものだそうです。天板のところをよく見ると、サイコロの目のようなものがあります。
スナイデルス&ロコックスハウス美術館は、17世紀初頭のアントワープのブルジョワジーに人気があった建築の典型的な例で、建物の中央には中庭があり、そこでは今もハーブが栽培されています。
Snijders & Rockoxhuis
Keizerstraat 10
Keizerstraat 10
2000 Antwerpen
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