珈琲の記憶が息づく、光と影のミュージアム~コーヒーバー Santos in Nederlands Fotomuseum, Rotterdam

2026年9月7日月曜日

カフェ ロッテルダム

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オランダ在住のアート好き、ミイルです。

オランダの港町、ロッテルダム。かつて世界中から船が行き交った港湾地区に、一際美しい佇まいを見せるレンガ造りの建物があります。

1901年に建てられ、かつてブラジルの港町から届く広大なコーヒー豆の集積地だった「サントス(Santos)」倉庫です。2000年に国家歴史建造物に指定されたこの場所が、見事な再生を遂げ、現在のオランダ写真博物館(Nederlands Fotomuseum)として生まれ変わりました。



機能美が宿る、窓のないモノクロームの空間


一歩足を踏み入れると、どこか凛とした静けさに包まれます。

このサントス倉庫は、かつてコーヒー豆の品質を守るため、外壁にほとんど窓を作らない独特の構造で建てられました。その「光を遮る」という産業建築としての機能美が、いまや「暗闇のなかで光をコントロールする」という写真の現像のプロセスと共通しています。

中央に新たに設けられたアトリウムからは、柔らかな自然光が垂直に差し込み、コンクリートとレンガの壁に美しい陰影を描き出します。かつて無数のコーヒー豆が積み上げられていた空間は、いまや世界の記憶を留める650万点もの写真コレクションが息づく、静謐な写真の神殿となっているのです。





かつてコーヒー豆の倉庫だった場所でコーヒーを味わう


オランダ写真博物館の一階にはカフェバーが設けられています。



コーヒーだけだし、トレイもソーサーもいらないと断ったら手渡されたクッキー

オランダ写真美術館内にある「コーヒーバー Santos」では、ロッテルダムの地元実力派ロースターである「Schot Coffee Roasters」が手がけた限定の特製ハウスブレンドが使われています。

このコーヒーは、「チョコレートやナッツのようなリッチなコクと甘みをベースに、ほんのり華やかなフルーティーさが調和したバランスの良い味わいが特徴で、ミルクとの相性も抜群です。かつてブラジルからのコーヒー豆を保管していた歴史的倉庫の背景にオマージュを捧げた、クラシックでありながら現代的な洗練された一杯に仕上げられている」そうです。

ミルクの甘みの奥に、ほんのりと香ばしいエスプレッソの酸味と苦味を感じながら、ゆっくりと味わいました。



120年以上前、この場所で汗を流した港の労働者たちも、もしかしたら同じように、遥か遠い異国から届いたコーヒーの香りに心を安らげていたのかもしれません。激動の時代を生き抜いた倉庫の息吹を感じながら味わうカフェラテは、いつもより少し深みがあるように感じられました。



【公式サイト】

Homepage – Nederlands Fotomuseumnederlandsfotomuseum.nl

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ミイル。ブログ Miiru 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。Twitter: ミイル@miirublog

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