Trouble in Paradise @ Kunsthal in Rotterdam

2020年10月26日月曜日

Kunsthal ロッテルダム 展覧会

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オランダの個人コレクターRattan Chadhaのコレクションを初めて紹介する展覧会「Trouble in Pradise」が2019年にロッテルダムのKunsthalで開催されました。

Rattan Chadha氏はオランダの衣料ブランドMexxとホテルcitizenMの創始者です「Trouble in Pradise」では彼の現代美術のコレクションを紹介しています。

彼はアーティストが新しい素材や新しいメディアをどのように作品に取り入れているかに関心を持っていて。コレクションには多種多様な分野と素材で活動する国際的なアーティストの作品が多く含まれています。

Rafaël Rozendaal, Random Fear (with Mirrors), 2019

ラファエル・ローゼンダールのインスタレーション作品は壁をぐるりと覆うディスプレイには、彼らしいカラフルでグラフィックな画像が映し出されています。一方、床には敷き詰められた割れた鏡があり、そこにはカオスとなった映像が映し出されています。


Grayson Perry, Walthamstow Tapestry, 2009

グレーソン・ペリーによる《ウォルサムストウ・タペストリー》は、誕生から死に至るまでの一生を視覚化しています。マレーシアのアンティークのバティック生地や東欧の民芸品にインスピレーションを受けた作品で、物語のなかに出てくるような船や動物など伝統的で牧歌的なモティーフから車や飛行機、戦闘機まで現代的なモティーフまで登場します。


Detail: Grayson Perry, Walthamstow Tapestry, 2009

近づくと各モティーフにマクドナルド、イケア、ディズニー、ルイ・ヴィトンなど世界を代表するブランドの名前が記してあり、現代の消費者の風景を辿る旅の物語でもあります。

もちろん、日本企業の名前もあります。中央のシャネルバッグをもった女性の下には「Sony」と記されているし、

Detail: Grayson Perry, Walthamstow Tapestry, 2009

鳥の横には「Honda」と書かれています。

Folkert de Jong, Medusa’s First Move: The Council, 2005

ジェリコーの《メデューズ号の筏》を下敷きにしたFolkert de Jongの作品です。ジェリコーが描いたのはフランス海軍のフリゲート艦メデューズ号が難破した際に起きた事件で、モーリタニア沖で座礁ししてしまったために約150人が急ごしらえの筏で約13日間漂流し、生き残ったのが15人だけという悲惨なものでした。

Folkert de Jongが表現したのは、飢餓や脱水が続いて死亡者が後を絶たずに希望がなく狂気が当たり前になってしまった世界です。数丁の銃が机に立て掛けられ、机の上に肉体から切り離された両手が揃えて置かれています(肉体は食べられてしまったのかも?)。

このような狂気の世界が淡くて甘い黄色と水色に彩られています。

Marlene Dumas, Sad Romy, 2008

相反するイメージを組み合わせた展覧会タイトル「Trouble in Paradise」や「Delicious Confusion」など各章のタイトルがRattan Chadha氏のコレクションを的確に表現していて、とてもいいセンスだと感じました。



2019.02.07-2019.05.26
Trouble in Paradice

Kunsthal
Museumpark
Westzeedijk 341
3015 AA Rotterdam
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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