もともとは実業家ヘンリー・クレイ・フリックが収集した作品を、彼の死後、彼の邸宅を増改築して一般に公開したのが始まりで、現在に至るまで素晴らしい作品を収集し続けています。
マウリッツハイス美術館HPより |
このフリック・コレクションの所蔵作品は、今までヨーロッパに貸し出されることはなかったので、マウリッツハイス美術館で行われる今回のコレクション展で初めてヨーロッパで展示されます。これはマウリッツハイス美術館が改修工事を行っていた時に、マウリッツハイス美術館展が日本も含めて世界中で開催されていたのですが、そのアメリカ会場となったのがフリック・コレクションであったというつながりがあります。そして、マウリッツハイス美術館の改修工事終了後、最初の本格的な展覧会がこのフリック・コレクション展です。
マウリッツハイス美術館HPより |
フリック・コレクションが有する3点のフェルメール作品がくると6点ものフェルメール作品を一度に見ることができる!と期待していたのですが、残念ながら無理だったようです。(ヘンリー・クレイ・フリックが収集した作品は契約(?)で貸出できないみたいです)でも、フリック・コレクションのアイコン、アングルの《ドーソンヴィル伯爵夫人》やコンスタブルの《白い馬》を見ることができます。
私が一番興味を持って見た作品は、ファン・エイク(工房作)の《ヤン・フォスの聖母子像》です。50x60cmくらいの小さな作品なのですが、輝く色彩でとても精緻に描かれていて見事です。画面の一部を1x1cmに切り取って引き伸ばしたとしても絵として見られると思うくらいです。崖の上の羊や隊列を組んで飛んでいく鳥、橋の上を行く人々の様子など、いくら目を凝らしても破たんすることのない描写には驚嘆します。
展覧会に出品されている作品は36点と少ないのですが、会場自体も狭いので窮屈な印象です。それから、作品が割と高い位置に展示されているので、背の低い方はヒールを履いて行かないとちゃんと鑑賞できないかもしれません。
The Frick Collection
2015.02.05-05.10
Mauritshuis Museum
Plein 29
2511 CS Den Haaf
http://frick.mauritshuis.nl/en/the-exhibition.html
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