マーストリヒトで開催されたアートフェアTEFAFに行きました。
今年は例年よりも大作が少なく、会場全体も落ち着いた印象でした。また近代絵画において、印象派やピカソなど著名な画家の作品よりも、「知る人ぞ知る」というような芸術家の作品に良いものが多かったです。
今回の目玉はファン・ゴッホの水彩画"Le Moulin d'Apphonse Daudet à Fontvielle"(1888)でした。この作品はこれまで100年間、展示されてこなかったものです。小さな水彩画であるため、もう少しで素通りするところでした。しかも「Le Moulin」とあるので風車を探していたのに、中央にある風車に羽がないので風車っぽくありません。
TEFAFのHPより |
この作品の裏面には、これまで見過ごされてきた走り書きが二つあるのですが、それが調査でフィンセントの弟テオの妻ヨハンナが作成したゴッホの作品リストの番号であることが分かりました。ヨハンナは、フィンセントと夫テオの死後、批評家やディーラーたちに働きかけたり、展覧会を開催したりして、フィンセントの作品を有名にすべく奔走した女性です。
この作品が描かれたのは1888年で、ゴッホがアルルでゴーガンを来るのと今か今かと待っているときです。この頃のゴッホはゴーガンのためにカンヴァスを残しておけるように、油絵ではなく水彩を多く手がけていた時期で、これもそのうちの一枚です。
下の会場写真はTEFAFのHPからのものです。豪華な会場の様子が伝われば嬉しいです。
Didier Aaron & Cie at TEFAF 2015, photo: Loraine Bodewes |
Galerie Eric Coatelem at TEFAF 2015, photo: Harry Heuts |
Patrick Derom Gallery at TEFAF 2015, photo: Harry Heuts |
TEFAF
2015.03.13-03.22
http://www.tefaf.com/
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