オランダのご近所さんたち~Neighbours: Portraits from Flanders 1400-1700 @ Mauritshuis Museum in Den Haag

2017年10月10日火曜日

デン・ハーグ マウリッツハイス美術館 展覧会

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2019年まで休館しているアントワープ国立美術館の作品が、マウリッツハイス美術館にきています。

15世紀から18世紀にかけて、現在はベルギー領となっている当時の南オランダでは肖像画が盛んに描かれました。高貴な人々や裕福な市民たちはこぞって、画家たちに肖像画を描かせた。これらの肖像画には、描かれた人物の社会的な地位や性格が記されています。


Master of Frankfurt, Self-Portrait with Wife, 1496

画家と妻を描いた肖像画。一枚の絵に二人の肖像を描いた最初期の作品です。

硬い表情なので夫婦の心の通い合いが薄いように一見思えますが、じっくり見ていくと、愛し合っている二人だということがわかってきます。

たとえば男性は左腕を背後から妻の脇の下に回して(よく見ると男性の指を確認できます)彼女の身体ををぐっと引き寄せていますし、妻の方は頬がポッと薔薇色に染まっています。


Cornelis de Vos, Portrait of Abraham Grapheus, 1620


もっと私的な肖像画がこの銀の円盤を身に着けた男性です。彼の髪型はぼさぼさで整えられておらず、つけ襟の紐を緩めて垂らしています。白いエプロンを見つけて杯をみがき、ギルドの催しのための準備に余念がないようです。

モデルはアブラハム・グラフェウスであり、彼はアントワープの画家組合聖ルカギルドを事務など実際的な仕事で支えた人物です。

目をひく銀のプレートには聖ルカギルドのシンボルである牡牛や、紋章が描かれています。

これはグラフェウスから肖像画を依頼したのではなく、おそらく画家フォスがグラフェウスがギルドを取り仕切る見事な手腕をたたえるためにこのような姿で彼を描いたと考えられます。





Neighbours: Portraits from Flanders 1400-1700
2017.09.07-2018.01.14

Mauritshuis Museum
Plein 29
2511 CS Den Haaf
https://www.mauritshuis.nl/en/
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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