アムステルダム国立美術館でバロックの絵画を彫刻を代表する「カラヴァッジョとベルニーニ」展の初日の2月14日に行ってきました。
カラヴァッジョは光と影の明暗でドラマチックに描く写実的な人物表現でローマにセンセーションを巻き起こし、バロック絵画の形成に大きな影響を与えました。
Micheloangelo Merisi da Caravaggio, Boy Bitten by a Lizard, c.1597-1598, Fondazione di Studi Stora dell'Arte Roberto Longhi, Firenze |
身体を使った感情の表現も豊かで、手の動きによって痛みと驚きが同時に表現されています。
Michelangelo Merisi da Caravaggio, Narcissus, c.1600, Gallerie Nazionali d'Arte Antica di Roma |
ギリシャ神話に登場する美少年、ナルキッソス。うっとりと、でも切なげな表情が魅力的です。
彼は神ネメシスに自分自身しか愛せないように呪いをかけられてしまったため、水面に映る自分の姿に一目で恋に落ちて動けなくなってしまいます。
ひざまずくナルキッソスと水面に映るナルキッソスの腕がつながってひとつの円環になっており、恋しい気持ちがぐるぐると出口なく巡っているようです。
カラヴァッジョが1610年に亡くなってから数年後、彫刻家ベルニーニは、動きが豊かで技術的に優れた彫刻を次々と発表し、その名を世に知らしめました。
ベルニーニの革新的な技術は、生き生きとした肖像画、壮大な霊廟、噴水、教会建築など、今日に至るまで多くの芸術的な領域に反映されています。
Gian Lorenzo Berini, Medusa, c.1638-1640, Musel Capitolini, Roma |
見るものを石に変える力をもったメデューサがここでは大理石にされています。
うごめく毒蛇は一匹一匹意志を持って動いているようです。近づいてみると、顔周辺の蛇は細かなウロコが刻まれています。
Gian Lorenzo Bernini, Thomas Baker, c.1637-1638, Victoria and Albert Museum, London |
複雑な髪形なのでウィッグのように後から乗せたんじゃないかと疑ってかかったんですが、ひとつの大理石から削り出したものでした。
Detail: Gian Lorenzo Bernini, Thomas Baker |
幾何学的で透ける模様が特徴のイタリアのニードルレースも、ベルニーニの腕にかかればこの通り。張りのあるレースと柔らかな布との対比が素晴らしい。
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Alessandro Algardi, Young Satyr with a Mask of Silenus, 1628, Private Collection, Chicago |
見た途端、某人気ジャニーズのセリフ「チョ、マテヨ」が頭のなかで響いた作品。
いたずら好きのサテュロスがシーレーノスの仮面をかぶっています。
Detail: Alessandro Algardi, Young Satyr with a Mask of Silenus |
目のところから覗くとかわいい口が見えます。
仮面の鼻とサテュロスの手を見てもらうとつながっているのがわかります。これも大理石をくりぬいて作った作品です。
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カラヴァッジョの影響ってホント大きい~Utrecht, Caravaggio and Europe @Centraal Museum Utrecht*しばらくの間、過去(2020年2月以前)に訪れた展覧会や場所などについて、書いていきたいと思います。
2020.02.14-2020.06.07
アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum
Museumstraat 1
The Netherlands
1071 XX Amsterdam
https://www.rijksmuseum.nl/en
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