左の作品はピーテル・デ・ホーホの《リネン収納棚のそばの女たち》で、棚の中に洗ってたたんだリネンをしまっている所です。リネンの間にはサシェ(におい袋)が入れられ、リネンに香りを移していました。
左のじょうごではこのサシェのかおりが匂えました。
ローズバッド、クローブ、ムスクが混ざった落ち着いたバラの香りがしました。この香りに包まれて眠れたらバラ色のいい夢が見られそうなやわらかなロマンチックな香りです。
右の作品はヤン・ファン・デル・ヘイデンの《アムステルダムの旧教会とアウデゼイズ・フォールブルグワル運河の眺望》で、前の装置からは運河のにおいが嗅げます。現在のように下水道が完備された時代ではなかったので、トイレの排水や下水、捨てられた肉や魚、腐った野菜、馬の糞、捨てられた干し草、汚染された産業(なめし革や繊維生産など)から出る毒物の臭いで運河はひどいにおいを放っていたそうです。
展示室では、そのにおいは加減されて再現されていたけども、それでも臭かったです。すぐに左を嗅がないと鼻の健康(笑)が損なわれそうでした。
上の写真は香りを携帯するためのアクセサリー、ポマンダーです。ポマンダーを携帯することで、保護効果のある香りを持ち運ぶことができました。
富裕層の女性は、銀などの高価な素材で作られたポマンダーを持ち歩いていました。ポマンダーにいれた香りは不健康な臭いから身を守るためのもので、ペストの流行時には特に重要な役割を果たしました。
ベルトから吊り下げられた先に、漆塗りの革製香水瓶、銀製の飾り鍵2個と、金製の小さなポマンダーがあります。
ムスクやクローブがふんだんに使われた香りが多く、クローブの香りが大好きな私にはたまりませんでした。
Smell the Art: Fleeting – Scents in Colour
-2021.08.29
Mauritshuis Museum
Plein 29
2511 CS Den Haaf
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