これまで、さまざなま美術館や展覧会、そして昨年のウィーン旅行でエゴン・シーレの作品をたくさん見てきました。彼の絵は命を削って描いているような厳しさや悲痛な嘆きを感じました。
でも、そんなシーレにもほんわかと幸せを感じるような絵も描いているのです。
Egon Schiele, Portraito of Edith (the artist's wife), 1915, Kunstmuseum, Den Haag |
はにかむような笑顔で、ちょっと居心地が悪そうにスカートをつまんでいる女性はシーレの妻エディットです。この作品が描かれた1915年に二人は結婚しました。
彼女を描いているシーレにエディットが見つめている視線がやさしく、幸せにあふれています。
このカラフルなドレスは、エディットがシーレのアトリエにあったカーテンを利用して自分で作ったものです。
2016年にハーグのKunstmuseumであった展覧会「Klimt ◆Shiele, Judhith and Edith」では、実際はこの生地はこんなカラフルなものではなく、白と黒の太いストライプだったと解説があったのですが、それはちがうんじゃないかな~と最近考えています。
なぜなら、この同じカラフルなストライプをほかの作品で見たからです。
Mother with Two Children II, 1915, Leopold Museum, Vienna |
右側の赤ちゃんのロンパースがエディットのドレスの生地に似ています。シーレには子どもはいませんでしたから、エディットとの間に生まれる未来の子どもを夢見て描いたのかもしれません。
Victor Ritter von Bauer, 1918, Belvedere |
カラフルなストライプ模様があります。
こちらは1918年の作品なので、エディットの肖像画の3年後に描かれています。カーテンかドレスに使った生地を椅子のクッションにリメイクしています。
たしかに、レオポルト美術館にはKunstmuseumとドレスと同じ形で白と黒のストライプの生地のドレスを着たエディットの水彩画あるのですが、私の個人的な意見になりますが、この水彩画に描かれたドレスはシーレが色数を抑えるためにあえて白と黒のストライプにして、本来のドレスは油彩画のカラフルの方なんじゃないかな~と思いました。
0 件のコメント:
コメントを投稿