アントワープの中心部、ショッピングストリートのMeirのすぐ近く、細い路地を入ったところにあります。1531年に世界で初めての目的別商品取引所として建てられた歴史的な建物で、「すべての証券取引所の母」とも称される場所です。19世紀に火災で焼失した後、ネオゴシック様式で再建され、現在はイベント会場として活用されています。2019年の大規模修復を経て、ますます美しく蘇りました。
入口は二か所あって、Meir側からの入口(Twaalfmaandenstraat)と、Lange Nieuwstraat側の入口(Borzestraat)があります。
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| Meir通りからの入口 |
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| Lange Nieuwstraatからの入口 |
実はこの場所、一般公開されている時間がとても限定的なんです。基本的に土日と学校の休暇期間のみ、10:00〜18:00頃まで公開されていて(イベントが入ると閉鎖されたり制限されたりします)、平日はほぼ入れません。アントワープを訪れるたびに「今日こそ!」と近くまで何度も足を運んだのに、いつもタイミングが合わず、門前払い状態が続いていました。
平日中心に動いていると本当にチャンスが少ない……と半ば諦めかけていたところ、ようやく念願叶って中に入ることができました。

広大な中央ホールは、鉄とガラスの屋根から柔らかな自然光が降り注ぎ、かつての交易の活気を思わせる開放感を保ちながら、今は静かで落ち着いた雰囲気に満ちています。回廊を支えるアーチにはモーリッシュ様式の影響が色濃く残り、繊細な網目状のヴォールト(リブ・ヴォールト)が光を優しく反射する様子は、幾何学的な美しさと温かみが絶妙に調和しています。

天井近くの鉄製屋根部分には、各国・都市・ギルド・交易に関わる家系や団体を象徴する紋章が並んでいて目を引きます。これらは19世紀後半(1870年代頃)に追加されたもので、元々は243個もあったそうですが、修復や改修の過程で一部が失われたり移設されたりしたようです。交易ネットワークの歴史を象徴する、知的で壮大な装飾です。

地上階に視線を戻すと、ホールの周囲を囲むモーリッシュ風の回廊、そして何より壁一面に広がる巨大な世界地図が圧巻です。16世紀頃の世界観をそのまま残したような、古い地図が複数枚並んでいて、見ているだけでタイムスリップしたような感覚になります。
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| 1階のライトアップされた壁に世界地図が描かれている |
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| 日本を発見! |
その地図をじっくり眺めていたら、ふと日本の部分を発見。日本列島がちゃんと描かれていて、少し歪んでいるけどちゃんと島国として認識されているのが嬉しくて、思わず写真を撮ってしまいました。遠い日本が、こんなヨーロッパの古い取引所の壁に存在しているなんて不思議な縁を感じます。

中央ホールには椅子やビーズクッションのようなものが置かれていて、座ってぼんやり休んでいると、突然オーボエの柔らかな音色が響いてきました。少し哀愁を帯びたメロディーが広い空間に広がり、とても心地よかったです。
さまざまな曲が演奏されていましたが、ハリー・ポッターのテーマが流れると小さな女の子たちが音楽に合わせてくるくる回りながら踊り始めました。無邪気なステップに周りの大人たちも自然と笑顔になり、私もつい見入ってしまいました。






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