モンドリアンとデザイン革命~Mondriaan and de Stijl, Gemeetnemuseum in Den Haag

2014年11月3日月曜日

デン・ハーグ デン・ハーグ市立美術館 ファッション 展覧会

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世界で一番モンドリアン・コレクションを所有しているのはデン・ハーグ市立美術館です。20世紀のオランダ芸術を代表する画家モンドリアンと、彼の芸術理論に同調した人々のグループ、デ・ステイルの常設展が昨年オープンしました。




モンドリアンといえば垂直線と水平線でカンヴァスを区切り、三原色(赤・青・黄)と無彩色(白・黒・灰色)で絵を描いた画家として知られています。一見すると、バランスを考えて線と色を塗ったセンスの塊のような絵に見えますが、その背後にはモデルとなる現実世界があります。




モンドリアンは画家でもあった叔父から絵画の手ほどきを受け、美術学校に入学したときにはすでに教師と同等の絵が描けるほどであったそうです。この頃は風景画を描いています。横に伸びる地平線とまっすぐに立つ風車やリズミカルに並ぶ樹木などは、のちの絵を予感させます。




上の二つの絵画の変化、とてもドラマティックだと思いませんか?似たような木が描かれていますが、まったく違うテーマで描かれています。




右の《夜:赤い木》(1908-1910)は背景の寒い空気を青色で、木の生命力が赤色で表現されています。




左の《灰色の木》(1911)は色彩を廃し、見事な枝ぶりを強調して描いています。

1911年、アムステルダムでピカソなどのキュビスムの作品をみて衝撃を受けたモンドリアンはパリへ行き、貪欲にキュビスムの理論を吸収します。






そして、物の背後にある普遍的な形を線で描き出そうとします。目で見たものを描く絵画から思考の絵画への転換です。上の二作品だけをみると何が描かれているのかさっぱりわかりませんが、《夜:赤い木》《灰色の木》を知っていると木が見えてくるのが不思議です。《夜:赤い木》から四作品を続けてみると「なるほど、モンドリアンはこう考えたのか」と、彼の思考を辿ることができます。

それは、絵画だけでなく居住空間も併せて変化していきました。




 オランダの伝統的な家から




 白い壁と幾何学的な造詣のインテリアの部屋に、





そして、赤・青・黄の色面が壁に貼られてまるでモンドリアンの絵の中のような室内へと変化します。この写真の奥にある作品はモンドリアンの遺作《ヴィクトリー・ブギウギ》で、デン・ハーグ市立美術館が所蔵しています。




1917年にモンドリアンはファン・ドースブルフとともに芸術雑誌『デ・ステイル』を発刊し、自身の抽象的な表現(水平線・垂直線、三原色と無彩色のみを使用した絵画)を発表し、数多くの賛同者を得ます。それは画家のみならず建築家やデザイナーまでも含み、絵画・建築・都市計画にまでおよぶ運動になりました。

とくに第一次大戦後に社会の根本的なリ・デザインと新しい生活の提案をして支持を得ました。家具などの調度品やテキスタイル、建物までほんと幅広いです。








この展覧会を見てから現代建築をみると、モンドリアンとデ・ステイルの運動が幅広く影響を与えたのかが実感を伴って理解できました。



Mondriaan and de Stijl

Gemeentemuseum, Den Haag
Stadhouderslaan 41
2517HV, Den Haag
http://www.gemeentemuseum.nl/en/exhibitions/mondriaan-de-stijl




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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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