10月30日に、英国の美術史家マーティン・ベイリー氏がオランダの公共放送NOSで、ゴッホが《アルルの寝室》で描いたベッドが、ゴッホの手を離れた後、オランダのボックスメールの住民の手に渡った可能性があると語りました。
NOSニュース:Staat het bed van Vincent van Gogh in Boxmeer?
ニュースになったことで、「これがそのベッドです!」と出てくることを期待して待っていたのですが、残念ながら、いまだそうなるには至っていません。
《アルルの寝室》で描かれたベッドは、ゴッホがアルルで制作していた1888年に購入したもので、《ひまわり》などの代表作を描いたり、そしてゴーガンとの確執により精神が不安定になったりした時期を過ごしたベッドです。
ベイリー氏は、ゴッホの甥であるヴィンセント・ウィレム氏が1937年にゴッホに宛てた手紙に1890年に自殺したゴッホのベッドを所有していると書き記しました。この記述をもとに、ベイリー氏がヴィンセント・ウィレム氏の息子であるヨハン・ファン・ゴッホ氏に連絡を取ったところ、ヨハン氏が「記憶している」と答えたそうです。
ヨハン氏によると、1945年に戦時中に資財を失った人々への支援物質として、オランダのラーレンにある父ヴィンセント・ウィレム氏の家からボックスメールにトラックで運ばれました。
放送では「ラーレンがボックスメールを助ける」と書かれたトラックの写真が映りました。
1945年にゴッホのベッドがボックスメールに運ばれたまでは突き止めましたが、現在そのベッドがボックスメールに存在するのか、すでにほかの場所に移ったり、廃棄されたのかはまだ分かっていません。
ゴッホが使用したベッドはいまもあるのでしょうか。1888年にゴッホが購入したので、すでに100年を経過した年代物のベッドです。存在していれば素晴らしいことですが、現存している可能性は低いのではないのか、というのが私の正直な気持ちです。
NOSニュース:Staat het bed van Vincent van Gogh in Boxmeer?
- Miiru
- ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog
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