君主、貴族、富裕な市民たちは、豪華な衣装で盛装した肖像画を名だたる画家に描いてもらい、屋敷に飾る習慣がありました。
今回の展覧会で注目を集めている作品は、レンブラントが描いた《マールテン・ソールマンス》と《オープェン・コーピット》の2枚の肖像画です。若い二人の結婚を記念して描かれた作品で、2015年11月、オランダ政府とフランス政府が共同で購入し作品です。その後アムステルダム国立美術館でしばらく展示された後に修復が行われ、今回の展覧化で修復後で初めて公開されました。
修復前にもこの作品を見たのですが、そのときは画面全体が黄色く濁っていてこのレースの部分もぼんやりとしていたのですが、修復を終えて、レース模様もはっきりとわかるようになっていました。レースと真珠の質感の描き分けや、複雑なレースの模様の描き込みなどをみているとレンブラントの巧さ、凄さがわかります。
豪華な衣装をじっくりと見ていくのもこの展覧会の楽しみのひとつです。こちらの人物ウィリアム・ゴードンはスコットランド人で、スコットランドの伝統織物であるタータン・チェックを身に着けています。
ソックスもお揃い。
この展覧会は二部構成になっています。第一部はハイ・ソサエティの対外的な表の顔を扱っていて、第二部は彼らの裏の顔というか夜の愉しみ(道徳的にどうかというものも含めて)に焦点が当てられています。
展示室がピンクの照明で照らされ、奥にドーンとベッドが置かれているので、すぐに「あ、そういう展示ね」と部屋に入る前から察せられます。
その展示室の一部はより刺激てな作品が集められていて、入り口にはこんなサインと注意書きがありました。
今まで見てきたセクシャルな展示だということを示すサインのなかで、理性の利いた秀逸なデザインだと思いました。
High Society
2018.03.08-2018.06.03
アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum
Museumstraat 1
The Netherlands
1071 XX Amsterdam
https://www.rijksmuseum.nl/en
0 件のコメント:
コメントを投稿