大きいことはいいことだ~XL Art @Museum Boijmans van Beuningen in Rotterdam

2018年5月1日火曜日

ボイマンス・ファン・ベーニンヘン美術館 ロッテルダム 展覧会

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ボイマンス・ファン・ベーニンヘン美術館で、4月29日まで開催されていた巨大な所蔵作品を集めた展覧会「XL Art」。

同時に開催されている「帰ってきたバベルの塔」展では宝石で輝く宝箱ような端正な作品が展示され、一方こちらでは、大岩のようなインパクトのある作品が並んでいます。

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巨大な作品が制作された歴史を遡ると、18世紀までは教会や宮殿などから依頼されて制作した記念碑的な作品がほとんどでした。

それが18世紀以降になると、何千作品と展示されるパリのサロンで自分の作品を目立たせるためだとか、クールベなど当時の前衛画家たちはセンセーショナルを巻き起こすために、意志をもって規定の作品よりも大きな作品を制作しました。ピカソが描いたゲルニカは、描かれたテーマはもちろんのこと、「巨大である」ということに意味がありました。


さらに時代が下って、ポロックやロスコの時代になると、作品が鑑賞者を圧倒し、見るというよりも作品の中に飲み込まれ、あたかも体験するような作品になっています。

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そして現代では巨大な作品はそれほど珍しくなく、スタンダードであるとさえ言えます。

なぜなら巨大な美術館のサイズにフィットしていて、巨大であるというだけでは人目を集めることはできなくなっているからです。


作品制作の制限がなくなってきたからか、現代はカオス。材料もテーマもグループもなく雑多で面白い。「美しい」という価値観だけではくくられない作品が多くを占めます。


でも、もっとも基本的な紙と鉛筆という素材は、今も変わらず重要な画材のようです。



XL Art: Large-Format Works Since the 1950s
2018.02.03-2018.04.29

Museum Boijmans van Beuningen
Museumpark 18-20
3015 CX Rotterdam
the Netherlands
https://www.boijmans.nl/en
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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