彼の初期作品は、大量の絵具を塗りたくった画面を抉って描いています。
点数は少ないものの、デュビュッフェが試みた、新しい絵画的マティエールの開拓の歴史が分かります。
絵の具に土を混ぜることによって、絵画と自然との隔たりを埋めようとしたり、
机の天板を絵画面と平行に描いて、平面の中にごつごつとしたり削れていたりといった物質感あふれる豊かな画肌になっている。
マティエールにこだわった作品とは打って変わって、こんどは強い輪郭線で囲いとられた模様で画面を埋める作品が並んでいます。
色彩が明快に整理され、グラフィカルな効果を強められています。
下からのぞくと「10.」と書かれているのを発見。作品組み立ての説明書でもあるのでしょうか。
各パーツがもぞもぞと蠢いているよう。
このブログを書いている段階で気付いたのですが、この作品のなかに三人の人物を発見しました。左上、中央下、右中央です。具象的なものが隠れているなんて思わなかったので、本当にびっくりしました。
ぐぐっと近づいてみると、色が重ね合わされているのがわかります。この色のゆらぎで画面が動いているように感じたんですね。
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