H'ART Museumを訪れたのは、秋が始まったばかりの頃でした。
このとき、パリのポンピドゥー・センター所蔵作品を中心にした「カンディンスキー展」が大盛況で、地方からバスで訪れる団体も多く、展示室もカフェもたくさんの人でにぎわっていました。
H'ART Museumは、ロシアがウクライナに侵攻した際に本国と手を切りましたが、もともとロシアのエルミタージュ美術館の分館だった影響もあり、レストランの味の傾向がオランダとは少し違います。フランス料理に近い感じがします。
例えば、パンプキンスープ。
H'ART Museumのスープは甘くて濃厚で、上にはパンプキンシードオイルとサワークリームがトッピングされていて、とてもおしゃれで美味しかったです。
実は、秋の料理であるパンプキンスープをオランダで注文するのは私にとって少し賭けなんです。というのも、よくカレー味のパンプキンスープが出てくるんです。
日本人の私はパンプキンスープと言えば甘いスープを想像しますが、オランダのレストランで提供される多くのパンプキンスープはカレー味です。
初めてオランダのレストランでパンプキンスープをいただいたとき、やさしい甘さを期待していたのに、スパイシーな風味が口に広がって頭が大混乱しました。
オランダ料理にはスパイスがふんだんに使われた料理やお菓子がたくさんあります。17世紀に東インド会社が世界各地から集めた高級スパイスを贅沢に使うことが流行だったからです。
そのため、古いおもてなしレシピにはスパイスが多用されていることがおおいのです。
オランダのコーヒーが美味しい理由のひとつに、東インド会社が植民地からコーヒー豆を持ち帰ったことがあります。
17世紀の東インド会社は、いまでもオランダの食文化にも影響を与えています。
コーヒーに添えられたクッキーの真ん中に縦に並んだ3つの✖印は、このカフェがあるアムステルダムの紋章です。
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