まず真ん中の作品にいる二人の人物はどちらもヴィレム1世です。
左のヴィレム1世は「オラニエ公ヴィレム1世」で、オランダ建国の父として知られています。彼は16世紀にスペインからのオランダ独立戦争である80年戦争の指揮を執った人物です。この戦争ののちにオランダ連邦共和国(通称オランダ共和国)が誕生しました。
右のヴィレム1世は「初代オランダ国王ヴィレム1世」で、「オラニエ公ヴィレム1世」の子孫です。18世紀の終わりにフランス軍が侵攻してきて共和国が崩壊すると一旦イギリスに亡命しましたが、フランス軍が撤退した1813年に再びオランダに帰ってきました。そして1815年のウィーン会議でオランダ国王として正式に認められました。
二人のヴィレム1世の姿は絵画や彫刻などで残っているのですが、この砂の彫刻はそれらにとてもよく似ています。「建国の父」と「初代国王」が並んでいる姿はなかなか感慨深いものがあります。
左側の砂の彫刻は、初代国王ヴィレム1世がイギリスから船でオランダに帰ってきた様子を表現しています。舞台となったのはデン・ハーグの北にある海辺スヘーフェニンヘンです。
そして最後に、現在のデン・ハーグの街の様子が右にあります。後ろには20世紀の建物が立ち並び、中段に17世紀に建てられたマウリッツハイス美術館、その右手前には13世紀の「騎士の館」があります。オランダの政治の中心地であるデン・ハーグの歴史の厚みが感じられます。
これらの砂の彫刻にはオランダの歴史をぎゅっと凝縮されています。
おまけ:彫刻と同じ建物があるのが分かりますか?
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