美しきオランダの風景~Beautiful Holland, Gemeentemuseum, Den Haag

2015年7月1日水曜日

デン・ハーグ デン・ハーグ市立美術館 展覧会

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デン・ハーグのGemeentemuseumで「美しきオランダ」展を見に行きました。デン・ハーグの風景を中心に、オランダ各地を描いた風景画を見ることができます。


オランダの風景画といえば、17世紀の黄金時代に活躍したアーフェルカンプやホッベマ、ライスダールが有名ですが、19世紀の作品もなかなかのものです。

Andreas Schelfhout, View of Haarlem, 1858

上の作品はアンドレアス・スヘルフハウトの《ハーレムの眺望》です。一見したところ、緑の農地が広がっていて、奥に風車が立ち並んでいるなど、17世紀のライスダールの影響が色濃い作品なのですが、じっくり細かい部分を見ると「これは19世紀の作品だ!」と分かります。それが、下の部分。


工場の煙が見えます。もしかしたら汽車の煙も混ざっているかもしれません。

フランスの印象派のモネは《サン・ラザール駅》を描くなど、刻々と近代化していくパリとその近郊を描きとめましたが、オランダの画家たちはそれよりも先にオランダの風景画の変化に注目していました。

ハーグ派の人々は外で制作しました。その様子が下の作品。膝の上に小さな絵の具箱を置いて、箱を開けたふたの裏に小さなカンヴァスを置いて描いていました。なので、外部で制作された作品は小品がほとんどです。

Anton Mauve, Near Vries, c.1880

これらは売るための作品というよりも、大きな作品を制作するためのスケッチの意味合いが高かったようです。外で描いた作品はアトリエの壁一面に掛けられ、アトリエの中にいながら外部にいるときのようなインスピレーションを受けられるようになっていたそうです。

こういったスケッチは油絵だけでなく素描でもされていて、そのときは細かく色の指定とメモが書かれています。



Willem Roelofs, Study for painting of "Landscape near Noorden", c.1882

気に入ったのは、5月の新緑の美しい季節にキラキラと輝く光を描きとめた下の作品。これはアトリエの中では描くことができない空気感です。


Willem Roelofs, May in Noorden, c.1882

Beautiful Holland
2015 04.04-08.30


Gemeentemuseum, Den Haag
Stadhouderslaan 41
2517HV, Den Haag

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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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