樹の詩情、ジュゼッペ・ペノーネ1~Penone@ Rijksmuseum in Amsterdam

2016年9月2日金曜日

アムステルダム アムステルダム国立美術館 展覧会

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アムステルダム国立美術館では、2013年から毎年、野外彫刻展が開催されています。

ヘンリー・ムーア(2013)、アレクサンダー・カルダー(2014)、ミロ(2015)に続いて、2016年の今年はアルテ・ポーヴェラの代表的作家であるイタリア人彫刻家ジュゼッペ・ペノーネの展覧会です。

ペノーネの作品は自然をモティーフにしたものが多く、日本人にも受けられやすいアーティストだと思います。

展示作品は全部で25点あります。それを今回から複数回にわたって紹介していきたいと思います。

まずは、国立美術館に入ってすぐのホールにある彫刻群。

Ripetere il bosco, Albero di 8 metri, 2000, Albero di 10 metri, 1989, Albero di 11 metri,1999, Nel legno, 2010 
彼の名前を聞くと、真っ先に思い出す作品。私はこのシリーズの作品が大好きで、初めて見た時、強烈に「欲しい!」と思ったのを覚えています。


木(モミやスギなど)の大樹のなかから、その木が若木であったころの華奢で瑞々しい姿が掘り出されています。すべすべと滑らかな木肌が美しいです。

注意深く見ると、一つの決まった年輪にそって掘り出されているのがわかります。薄いベールを剥ぐように、過去のありし姿があらわになっています。


さらに上の写真を観察すると、木の幹の上のほうが太くて下のほうが細くなっています。

これは自然な姿でしょうか?

違います。この作品の木は、上下がひっくり返されています。ペノーネの作品は一見、自然物を素材とし、それを活かした素直な作品のように見えますが、実際は彼の独特なアプローチが加えられています。それによって、鑑賞者は自然の生命力や美に気づくことができます。

このようなさわやかな衝撃が、私が彼の作品に惹かれる大きな理由です。




Penone
2016.06.10-10.12


アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum
museumstraat 1
The Netherlands
1071 XX Amsterdam
https://www.rijksmuseum.nl/en

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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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