ゴッホ美術館の展示室内は写真撮影禁止なのですが、クリムト展入口に掲示された禁止事項に撮影禁止マークがありませんでした。念のため、係の人にも尋ねたらクリムト展に限りOKとのこと。確認を取ったはずなのに心配でどきどきしながら撮りました(笑)
この展覧会ではクリムトに影響を与えた画家は誰なのかを明らかにしているのですが、そのクリムトに影響を受けた画家の多くがオランダ出身だったのが意外でした。
また、そのため、クリムト展をオランダで開催するのが大きな意義があると思いました。
Gustav Klimt, Study for The Altar of Dionysus, 1886 |
クリムトの初期の作品には古典的な古代美術への傾倒や古代ギリシア・ローマ時代への憧憬が感じられます。クリムトの絵画は 理想化された裸婦、彫刻、柱やフリーズなどの建築的な要素にあふれています。
オランダの画家アルマ・タデマは、当時、世界的なスターでした。クリムトはウィーンでの展覧会や複製品を通じて、タデマの作品をよく知っていました。上のローマ時代の女性の浴室を描いた水彩画は、アルマ・タデマが理想とする古典的な世界を想起させます。
クリムトはこの作品で、裸の水蛇が官能的に浮遊する世界を創造しました。ここに描かれた装飾的な曲線はオランダ人画家ヤン・トーロップの波打つような曲線に触発されたそうです。
Golden Boy Gustav Klimt
Gustav Klimt, Water Serpents II, 1904, reworked 1906-1907 |
Left: Gustav Klimt, Avenue to Schloss Kammer, 1912 |
クリムトは、フィンセント・ファン・ゴッホの絵画にも感銘を受けました。1903年にウィーンで開催された印象派展で、「ピンクの果樹園」 を含むゴッホの作品を目にしたのです。
上の写真の左側の作品《Avenue to Schloss Kammer》に描かれた木々の厚塗り、青い輪郭線、ぎざぎざの枝は、ゴッホの絵からそのまま持ってきたようです。
Gustav Klimt, Judith, 1901 |
クリムトが初めて金箔を使用した作品です。また、装飾的な額縁もクリムトがデザインしました。
この展覧会⤵は展示デザインがオシャレでめちゃくちゃ攻めていました。
Gustav Klimt, Life is a Struggle (The Golden Knight), 1903 |
ここに描かれた黄金の騎士は芸術家の体現者であるという解釈もあるそうです。
この作品に描かれた敵は、聖書に登場する悪の象徴であるヘビだけです。左下からひょこっと顔を出しています。
オランダ、アムステルダムはもう紅葉が始まっています。街路樹がクリムトの作品のように黄金色に染まっています。
2022.10.07-2023.01.08
0 件のコメント:
コメントを投稿