神の手、ロダン~Rodin: Genius at Work @Groninger Museum in Groningen

2017年4月10日月曜日

展覧会

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ロダン没後100年にあたる今年、パリのグラン・パレ・ナショナル・ギャラリーをはじめ、世界各地で展覧会が開催されています。

オランダのフローニンゲン美術館は一足早く、去年から「ロダン―天才の実像」展で、ロダンの創造の過程の一部が垣間見れる展覧会が開催されています。



フローニンゲン美術館は、フローニンゲン駅と街を繋ぐ橋の途中に建設されていて、その特徴的な建築でも有名です。



展示室に入ると、作品《神の手》の向こうで、ロダンが写真でお出迎え。

ロダンはまさに神の手を持っていました。その手で革新的な作品をいくつも作り出し、同時代の芸術家のみならず、今なおアーティストたちを刺激する存在です。



小指の先ほどの小さな彫刻。こんな小さな手なのに、指先に表情があります。



彼の代表作《考える人》や《地獄の門》があるなか、私の興味を引いたのがこの出土した土器にロダンが彫刻を加えたもの。



即興的な軽やかさがあって、とても好感を持ちました。なんだか、ピカソが陶器に絵付けをしたような、自分の思い通りにならないものを取り入れることによって、より創作意欲を掻き立てられたのじゃないかな、と思いました。

*関連記事:ピカソの自由奔放な陶器~Picasso by Sea@ Museum Beelden aan Zee in Den Haag





ロダンはすべての作品を自分一人の手で作り上げたのではありません。

彼は粘土で原型をつくり、弟子たちがそれをもとに鋳型を作って銅像を製造したり、大理石を掘って彫刻したりしました。

つまりロダンは総合プロデューサーのようなものだったのです。



これは珍しいものではなくて、大きなアトリエを構えるような人気作家たちはこのような生産体制を持っていました。

有名なところでルーベンスやレンブラント、エミール・ガレなんかもそうですね。



腕のいい職人を抱えていたロダンですが、最終的に作品にOKを出すのはロダン本人です。

ロダンの大理石に削り出された人物は、温かみがあって吸い付くような肌が美しい。



それから背中と手の表現がなんともセクシー。

同じロダンの原型を使って造形したものでも、銅像は力強くて大理石は儚い。そんなところも意識して、題材と材料を選んで制作していたのでしょうね。



Rodin: Genius at Work
2016.11.19-2017.04.30

Groninger Museum
Museumeiland 1
9711 ME Groningen
The Netherlands
http://www.groningermuseum.nl/en

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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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