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この展覧会はシュールレアリスムを概観するような構成ではなく、シュールレアリスムに魅せられたコレクター4人のコレクションに焦点を当てています。ですので、展覧会名Mad about Surrealismを意訳すればシュールレアリスムが狂おしいほど好きという意味の「シュールレアリスム狂」や、もっと身も蓋もない言い方をすれば「シュールレアリスムバカ」になるんじゃないかと思います。
ここに紹介されたコレクターは以下の4名です。 (生年順)
ローランド・ペンローズ Roland Penrose(1900-1984)
エドワード・ジェームズ Edward James(1907-1984)
ガブリエル・ケイラー Gabrielle Keiller(1908-1995)
Ulla and Heiner Pietzsch(1934-、1930-)
ガブリエル・ケイラーは、1960年に画廊のアシスタントとしてベニスを訪れた時にペギー・グッゲンハイムに紹介され、彼女の素晴らしいシュールレアリスムのコレクションを見てから、ダダイズムとシュールレアリスムの本格的な収集を始めたそうです。
彼女のコレクションには希少なアーティスト・ブックや雑誌、カタログ等が多く含まれていて、1970年代には図書館設立を啓作しました。シュールレアリスムは詩人アンドレ・ブルトンにより始められ、文筆家の間で広がった後にアーティストたちが参加していったという経緯があるため、書籍はシュールレアリストにとって重要な表現方法でした。
シュールレアリスムとキュビスムの重要な個人コレクターとして知られるRoland Penroseは、フランスに滞在していた際に画家の友人たちの作品を買ったり、ポール・エリュアールが経済的困難に陥った際に彼が所有していたを購入して援助するなどして、自らのコレクションを確立していきました。彼は作品を購入するだけでなく、母国のイギリスでシュールレアリスムの展覧会を開催するなど普及にも力を入れていました。
エドワード・ジェームズのパートに来ると、ボイマンス・ファン・ベーニンヘン美術館のお馴染みのコレクションが並んでいました。美術館のシュールレアリスムのコレクションは、1970年代にジェームズがメキシコに造園した公園「Las Pozas」のために売却されたものが核になっているんだそうです。だから、知っている(見たことがある)作品が多かったんですね。
ジェームズは1930年代に父より莫大な遺産を譲り受け、そのお金で才能あるアーティスたちの作品を買うことで彼らの生活を支えていました。そのアーティストの一人がダリです。ダリの芸術において、愛妻でありミューズであるガラに続いて、ジェームズは重要な人物でした。
今もご存命で、収集を続けているUlla and Heiner Pietzsch。彼らの素晴らしいコレクションはまとめて展示されるだけでなく、彼ら4名のコレクションが展示された中央に、Ulla and Heiner Pietzschが所有するコレクションと、ほかの3名が以前所有していたコレクションを世界から集めて、シュールレアリスムの8つのテーマで説明するセクションが設けられています。
Joan Miró, Maternité, 1924, Peinture, 1927 |
Museumpark 18-20
3015 CX Rotterdam
the Netherlands
http://www.boijmans.nl/en/#kPTbKcppV74PH1UJ.97
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