アントン・コービンが捉えた画家の姿~Anton Corbijn, Gemeentemuseum in Den Haag

2015年5月24日日曜日

デン・ハーグ デン・ハーグ市立美術館 展覧会

t f B! P L
オランダ人フォトグラファーアントン・コービン(オランダ語読み:アントン・コルバイン)の展覧会が、デン・ハーグ市立美術館と隣の写真美術館で開催されています。


彼はロック・アーティストの写真を撮影したり、ミュージックビデオや映画なども制作しています。写真美術館の展示室では彼らの音楽が流れていて、当時の空気感を感じられるエネルギッシュな空間になっていました。一方、市立美術館のほうは、被写体のオーラや個性の深いところを抉り出したような作品が多かったです。

上手く言えないのですが、写真美術館は音楽的な観点で選ばれた作品、市立美術館のほうは美術な観点で選ばれた作品と言えばいいでしょうか。



ミュージシャンの写真が多い中に、アーティストを撮影した作品を集めた一室がありました。左から《ゲルハルト・リヒター》《マルレーネ・デュマス》《クリストファー・ウール》です。

圧倒的な迫力とカッコよさで目立っていたのは《マルレーネ・デュマス》(2010)です。自信みなぎる堂々とした彼女の姿は一人の人間として憧れます。でも、この写真、撮影された当時、デュマス自身はそれほど好きではなかったそうです。でも、年を経るに従って好きになっていったそうです。

リヒターとウールの背景には、彼らの作品がさりげなく配されています。リヒターの写真はそのまま彼の作品でありそうですね。



亡くなる3年前、85歳になる年に撮影された《ルシアン・フロイト》です。力漲る右手と絵筆を挟んだ左手から画家としての気概を感じます。



クスッときたのは《ダミアン・ハースト》。彼のモティーフである頭蓋骨が写真に重ねあわされています。生と死をモティーフにしている彼らしい肖像になっています。

この作品は他のコービン作品違う印象を受けました。コービンの作品というよりもハーストの作品のように思えたのです。もしかしたら、ハーストの強烈な個性が知らず知らずにうちにコービンに強い影響を与えて撮らせたものかもしれません。


Anton Corbijn
2015.03.21-2015.06.21


Gemeentemuseum, Den Haag
Stadhouderslaan 41
2517HV, Den Haag
http://www.gemeentemuseum.nl/en/exhibitions/anton-corbijn


Anton Corbijn: 1-2-3-4
2015.03.21-2015.08.16

Foto Museum
Stadhouderslaan 43
2517 HV, Den Haag

http://www.fotomuseumdenhaag.nl/en/exhibitions/anton-corbijn-0



自分の写真
ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

最新記事

にほんブログ村 美術ブログ 美術鑑賞・評論へ
にほんブログ村 海外生活ブログ オランダ情報へ

このブログを検索

Translate

QooQ