ピカソよりも画風が変化する画家、ヤン・トーロップ~Jan Toorop at Gemeentemuseum in Den Haag

2016年4月11日月曜日

デン・ハーグ デン・ハーグ市立美術館 展覧会

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この展覧会を見るまで、半ば本気でヤン・トーロップとう画家が数人いると思っていました。(娘のチャーリー・トーロップとも混同していた、というのもありますが)

ウィキペディアによると
ジャワ島で生まれ、14歳でオランダに移住。デルフトアムステルダムで教育を受けた。1882年から1886年までブリュッセルに住み、そこで20人展に参加。
28歳の頃にイギリス人女性と結婚。主にイギリス、オランダ、ベルギーで時を過ごす。32歳の頃、オランダの海岸沿いの町に移る。47歳の時にカトリックに改宗する。
1928年、69歳の時にハーグにて死去。
とありますが、彼の作風の多様さをまったく表していません。

ざっと彼の画風を年代順に追ってみます。

De arrestatie / Debacle, 1885
November Sun, 1888
km_123.620.jpg (7337×5883)
Fatalism, 1893
Portret van Marie Jeanette de Lange, 1900
Thoughtfulness, Meditation, Fire, 1923

レアリスムから始まり、印象主義、新印象主義、ポスト印象主義を経験し、その後象徴主義やユーゲント・シュティールの影響を受けた後、モンドリアンにも触発され、アール・ヌーヴォーも取り入れたという、なんでもござれな作風です。

新しい芸術様式を貪欲によくいえば吸収、悪く言えば熱しやすく冷めやすい人だったのでしょう。

しかし、これら異なった画風で描いた作品がどれも相当なレベルです。

Jan Toorop, The Sphinx - 1897
Sphynx, 1892-1895
また、これらの画風の変化がくっきりと示されていること、そして後年、例えば象徴主義の時代を経た後に新印象主義の作品を描いたとしても、その象徴主義の作品の影響が全く見られないということに驚嘆しました。トーロップは多重人格のように、彼の中に複数人の画家がいるんじゃないかと思うほど。

穏やかなテーマから、陰鬱なテーマまで、なぜこれほど多種多様なテーマを一人の画家が扱えるのか不思議でなりません。本当にスフィンクスのように多くの謎を秘めた画家です。

私のお気に入りは下の作品。緑が美しく、爽やかな初夏の雰囲気が伝わってきます。

In the Dunes, 1903
Delft Salad Oil, 1895
オランダ人にはおなじみのデルフトサラダ油のポスター。


娘で画家のチャーリー・トーロップの幼き頃。儚げな美少女ですが、彼女の描く人物像は目力が強くてパンチがあります。


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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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