【フェルメール】イギリス王室コレクション、オランダの家庭展

2016年10月19日水曜日

デン・ハーグ フェルメール マウリッツハイス美術館 展覧会

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2016年秋の展覧会第一弾は、マウリッツハイス美術館の「イギリス王室コレクション、オランダの家庭」展です。

これにはフェルメール作品が一作品含まれています。


フェルメールが見られるので、とても楽しみにしていました。

人気の展覧会なので、開館前に並ぶか夕方の遅い時間の方が比較的空いていて見やすいと思います。

かくいう私も、以前、2時頃に行ったのですが、展示室が背の高いオランダ人で溢れていて全く作品が見れなかったので退散しました。

今回は開館時間に合わせて行きましたが、それでもゆっくり観れたのは10分ぐらいです。



さて、肝心のフェルメールの《音楽の稽古》ですが、カメラオブスクラを使って描いた作品なので、広角レンズのように奥行きが強調されています。また、光を反射する銀食器などには光が粒となってキラキラしています。

画面奥にヴァージナルを演奏する女性とその横で歌っている男性がいます。

男性は歌で愛を囁いているようですが、女性は自分の演奏に集中してそっけない態度を取っています。

しかし、ヴァージナルの上に掛けられた鏡を見てみると、


女性は男性のほうに顔を向けています。女性の気持ちは男性に傾いているんですね。

オランダに限らず西洋絵画では、鏡は真実を映し出す小道具として使われます。ここでは女性の本心を明らかにしています。

さらに詳しく鏡を覗き込んでみると、女性の頭の奥に家具の脚のようなものがあるのがわかります。

これはカンヴァスを載せるイーゼルの脚で、この空間は画家が創り出したものであることを明らかにしています。

この展覧会の目玉の作品は間違いなくフェルメールですが、私が観れてよかったと思ったのが、ヘラルト・ダウの《食料品店》と《タマネギを刻む少女》。


どこを切り取っても絵になる、ダウらしい緻密で完成度の高い作品です。


展示室の奥にはヤン・ステーンの作品が集められていて、賑やかな一角になっていました。

常設展の方にもマウリッツハイス美術館コレクションのフェルメール三作品が展示されています。つまり、マウリッツハイス美術館に来るだけで、フェルメールの作品が4作品も観られます!

フェルメール・ファンにとっては、この秋、マウリッツハイス美術館は絶対に外せない美術館です。




イギリス王室コレクション、オランダの家庭展
09.29 -2017.01.08


Mauritshuis Museum
Plein 29
2511 CS Den Haag
https://www.mauritshuis.nl/en/
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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