【ゴッホ】盗難のゴッホの2作品が14年ぶりに発見される

2016年10月5日水曜日

アムステルダム ゴッホ ゴッホ美術館 盗難

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日本でも報道されたのでご存知の方も多いでしょうが、9月30日11時半にナポリのイタリア当局が盗難されたゴッホの2作品を14年ぶりに発見したと発表しました。


これらの作品は2002年にゴッホ美術館から盗まれたもので、《スヘーフェニンヘンの海の眺め》(1882年)と《ヌエネンの教会から出る人々》(1884-1885年)です。


14年の時を経た作品ですが、ナポリ当局によるといくつかのダメージがみられるもののそれほど状態は悪くないとの発表ですが、ゴッホ美術館はアムステルダムに戻ってくるまでは、安心できないと考えてます。美術館という作品保存に適した場所に置かれていたわけではなく、麻薬組織のリーダーの家で額を外された状態で発見されたのでそれも当然でしょう。


ゴッホ美術館の発表では、《スヘーフェニンヘンの海の眺め》では左下の角の表面、約5x2cmぐらいの絵の具にダメージがあるとのことです。《ヌエネンの教会から出る人々》のほうにもカンヴァスの縁にいくつかのダメージが見受けられるそうです。またこの作品はオリジナルのカンヴァスの木枠が残っていて、そこにもゴッホの筆の跡が残っている珍しい作品です。早く専門家による適切な処理を施してほしいものです。

《スヘーフェニンヘンの海の眺め》

《スヘーフェニンヘンの海の眺め》はゴッホがデン・ハーグに住んでいたときに描いた作品です。デン・ハーグに住むのは2回目です。1回目はまだ画家を志す前で、デン・ハーグにあったグーピル商会で画商として働いていました。その後、画家になることを決心したゴッホは再びデン・ハーグを訪れ、デン・ハーグを中心に活躍していた画家集団ハーグ派たちと交流を持ちながら絵を学んでいきました。《スヘーフェニンヘンの海の眺め》にはゴッホが制作を始めた時期の特徴的な様式がみられ、また彼には珍しい「海」を題材に扱った作品です。

《ヌエネンの教会から出る人々》

《ヌエネンの教会から出る人々》はゴッホとその家族にとってはとても大切であっただろう作品です。ゴッホがお母さんのために1884年にゴッホの父が神父を務めた教会を描いたものです。そして、翌年の1885年に父が亡くなったのち、ゴッホは教会の前に喪に服する数人の女性を描き加えました。

残念ながら、発見された作品は犯罪捜査の証拠品であるため、ゴッホ美術館に返還される時期は未定なんだそうです。捜査がスムーズに終結し、早く作品があるべき場所に戻ってきてほしいものです。


Two stolen Van Gogh paintings recovered after 14 years, Van Gogh Museum
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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