デン・ハーグから電車で3時間かけて、レーワールデンにあるフリース博物館に「レンブラントとサスキア」展を見に行ってきました。
デン・ハーグから乗り換えなしで行けるのは便利なのですが、午後から雪が降るという予想が出ていた日だったので、展覧会を見た後、どこにも寄らずに大急ぎで帰りました。
展覧会の副題は「黄金時代の愛」。17世紀オランダ黄金時代の恋愛や結婚の風習や慣習を、美術館で最も有名なレンブラントとサスキア夫妻の馴れ初めから結婚、別離までをたどりながら紹介しています。
展示室に入ってまず目に飛び込んできたのは、レンブラントとサスキアの肖像画です。
このサスキアの肖像画は残念ながらレンブラントが描いたものではなく、レンブラントの弟子ホーファールト・フリンクが描いたものです。この作品が描かれたのは1636年で、サスキアがレンブラントと結婚して2年目のときです。肖像画からはレンブラント夫人としての落ち着きが感じられます。
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レンブラントは結婚後、彼のためポーズをとるサスキアや、日常生活でみせる飾らない彼女の姿をスケッチや版画に描き留めます。
しかし残念ながら、彼らの幸せな結婚生活は10年も続きませんでした。サスキアが病気のため、結婚してから8年後の1642年に、生まれたばかりの一人息子ティトゥスを残してこの世を去ってしまったのです。
上の作品は、レンブラントがサスキアと婚約・結婚した頃に描いたもので、若々しくも知性に溢れた女性として描かれています。赤いベルベットのドレスと帽子、細かく襞を寄せた襟、それから胸元や髪を手の込んだ装飾を施した宝飾品など、それらが美しい横顔を引き立てています。
しかし、レンブラントは一度完成させたこの作品に、サスキアの死後、あるものを描き加えました。それは、帽子を飾る豪華なガチョウの羽根と彼女が右手に持つ小さなローズマリーの小枝です。
ローズマリーが意味するものは、「思い出」と「変わらぬ愛」です。
レンブラントが変わらぬ愛を誓ったサスキアの傍らには、レンブラントの自画像(写真奥)と、サスキアが見ることができなかった成長した愛する息子ティトゥスの肖像画(写真手前)が展示されていました。
Rembrandt and Saskia: love in the dutch golden age
2018.11.24-2019.03.17
Fries Museum
Wilhelminaplein 92
8911 BS Leeuwarden
The Netherlands
https://www.friesmuseum.nl/en/
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