19世紀から20世紀にかけて描かれた肖像画や自画像が集められていました。
おもしろかったのが、画家として描かれている自画像。
以前、マウリッツハイス美術館で開催された「黄金時代のセルフィー」展と比較しながら見ていました。
17世紀の画家たちは鑑賞者の立場に立って、画像を描くときにちょっとだけウソをついていました。
画家は作品の中でちょっと嘘をついていたんです。鏡面に映った姿をそのままカンヴァスに描くと、作品には絵筆を左手に持っている画家の姿になってしまう。それだと、鑑賞者は違和感を感じてしまう。だから、鑑賞者にとって自然になるように、鑑賞者から見て右手に絵筆を握る自分の姿を描いているんです。
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一方で、ファン・ゴッホ美術館で展示されていた自画像に描かれた人物たちは、ほどんど鑑賞者から見て左手(画家の右手)に絵筆を持っていました。つまり鏡に映った姿をそのままカンヴァスに描いていました。
鑑賞者ではなく見たものそのままを描くことを重視していたことがうかがえます。
また、展覧会で写真の台頭についても言及されていて、実物そっくりに描くよりも内面を表現することを重要視するようになったというのも興味深かったです。
In the Picture
2020.02.21-2020.05.24
Van Gogh Museum
Museumplein 6
1071 DJ Amsterdam
http://www.vangoghmuseum.com/en
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