この一文は、ベルギーのアーティスト、パナマレンコの創作活動を象徴しています。
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美術館の展示室入口の宙に浮かぶパナマレンコの作品 |
空を飛び地を駆け水中を走り、重力から自由をなることを求めたベルギーのアーティスト、パナマレンコの展覧会を見に、アントワープ王立美術館に行きました。
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空飛ぶ絨毯みたいですが、たくさんのプロペラが透けて見えます |
パナマレンコの創造性と科学への探求心が融合した象徴的な作品といえば《アエロモデラ―》があります。飛行船《アエロモデラー》は、全長30メートル、直径6メートルもあり、彼の無限の自由へのあこがれを体現した作品です。
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Aeromodeller (model), 1984 |
飛行船内で生活をし、自由に旅することを目指して作られた《アエロモデラ―》ですが、残念ながら数回にわたるテスト飛行はすべて失敗に終わりました。
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Blimp (studie Aeromodeller), 1967, Blimp (studie Aeromodeller), 1967 |
しかし、ドイツのカッセルで開催されたドクメンタで《アエロモデラ―》を展示し、パナマレンコは国際的な名声を得ました。
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Studie Aeromodeller, 1970, Aeromodeller, s.d. |
彼のスケッチは、飛行機や潜水艇、奇想天外な乗り物の設計図が描かれることが多く、科学的な法則に基づきながらも遊び心のある魅力的なスケッチになっています。
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Archaeopterix, 1993, Cocotaxi, 2003 |
手書きの計算式やメカニズムの細部が書き込まれたものもあれば、思いつきのようにラフに描かれたものもあります。簡単なメモや独り言、自作に対するつっこみのような文章もあり、パナマレンコの人となりに触れることができます。
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Hazerug, 1997 |
リュックサックの様に背中に背負うタイプの飛行機。
研究室での実験では、これを背負ったマネキンは高く舞い上がったそうです。でも、窓が揺れるほうどの轟音で、学生たちが部屋から逃げ出したそうです。そして、もしこれを人間が背負っていたら、その轟音と振動で死んでしまうだろうとも言っていたそうです。
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Super Pepto Bismo, 1996 |
これもリュックサック型の飛行機。
プロペラが12個もついていて、見るからに危険そうです。
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Short Wing Span, 1973 |
スケッチを時代順に追っていくと、飛行装置が鳥型→リュックサック型→昆虫型へと変化していく過程が分かります。
(上のスケッチを見て、彼が日本の鳥人間コンテストに参加してたらどうなっていたんだろう?と思いました)
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Rucksackflug, Furka Pass, 1984-1985 |
パナマレンコが作り出したオブジェや飛行装置が魅力的なのはもちろんなんですが、デザイン画にときたま描かれる人物がとてもいいです。
上の作品はHazerugを2基背負っているパナマレンコの図です。実際は音と振動が強烈で、とても人間が背負える代物ではなかったようです。
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Buzz-Zoom, 2005 |
昆虫型の飛行装置のデザイン画。
この展覧会では、パナマレンコのスケッチやデザイン画と実際に制作した飛行装置を通して、彼の発想がどのように形になっていったのかをじっくりと見ていくことができました。ここには飛行機や飛行装置の紹介していませんが、展示では車や潜水艦のスケッチもありました。パナマレンコの重力から自由になるための創作への情熱が感じられる興味深い展覧会でした。
この展覧会では、パナマレンコのスケッチやデザイン画と実際に制作した飛行装置を通して、彼の発想がどのように形になっていったのかをじっくりと見ていくことができました。ここには飛行機や飛行装置の紹介していませんが、展示では車や潜水艦のスケッチもありました。パナマレンコの重力から自由になるための創作への情熱が感じられる興味深い展覧会でした。
2025年1月31日~2025年5月4日
アントワープ王立美術館
KMSKA (Koninklijk Museum voor Schone Kunsten Antwerpen)
Leopold de Waelplaats 1, 2000 Antwerpen
KMSKA (Koninklijk Museum voor Schone Kunsten Antwerpen)
Leopold de Waelplaats 1, 2000 Antwerpen
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