ヒブラルファロ城に行った疲れをローマ劇場で癒した後、マラガ砦(アルカサバ、Alcazaba)へと向かいました。
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ローマ劇場の観覧席を出てすぐ左側に、観光客が並んでいる列が見えました。近づいてみると、そこがチケット売り場でした。木々に隠れていて人もまばらだったので、前回訪れた際はすっかり見逃していたようです。
ここでもヒブラルファロ城と同じように地図をもらいましたが、方向音痴で地図が読めない私には意味を成しませんでした。
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| 地図 |
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| 地図の裏面 |
マラガ砦は「砦」と名前がついていますが、実際には軍事要塞と宮殿が一体となった複合施設です。
起源は11世紀初頭、タイファ王国時代(特にハムード朝やジーリ朝の時期)に遡ります。この頃の建築は、軍事的な堅牢さを最優先としながらも、コルドバのカリフ朝様式の影響を色濃く残しています。
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| 砦内の入り組んだ坂道を進んでいきます |
しかし、アルカサバが本当の輝きを放つのは14世紀、ナスル朝(グラナダ王国)時代です。ムハンマド2世をはじめとするナスル朝の君主たちが大規模な再建を行い、ここを宮殿的な住居として蘇らせました。この時期の改築こそが、アルカサバを「小さなアルハンブラ宮殿」と称するにふさわしい存在にしたのです。
パティオ・デ・ラ・アルベカ(水盤の庭)を訪れたとき、胸に広がったのは懐かしさのような感覚でした。11世紀に遡るこの宮殿要塞は、昨年訪れたグラナダのアルハンブラ宮殿やヘネラリフェ庭園を思わせる佇まいを持っていました。規模ではもちろん及びませんが、馬蹄形のアーチが連なる回廊、幾何学模様の漆喰細工、水の流れが奏でるささやかな音などによって、ナスル朝の優美な精神を受け継いだ「小さなアルハンブラ宮殿」のように感じられました。
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| パティオ・デ・ラ・アルベカ(水盤の庭) |
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| パティオ・デ・ロス・ナランホス(オレンジの庭) |
パティオ・デ・ラ・アルベカ(水盤の庭)やパティオ・デ・ロス・ナランホス(オレンジの庭)は、グラナダのアルハンブラのライオンの中庭やアレハンドロの中庭を思わせる、水と緑と光が織りなす空間でした。石膏(yesería)による繊細なムカルナス(蜂の巣状の装飾)、幾何学文様と植物文様が絡み合う漆喰細工、柱頭の優美な形状——これらはナスル朝特有の「抽象と装飾の極致」であり、物質を超えた精神性を空間に宿そうとする試みそのものです。

アルハンブラが壮大なスケールで「楽園の再現」を目指したのに対し、マラガ砦はより親密で、内省的なスケールで同じ理想を追い求めているように思えました。
アルカサバの中は、庭に植えられたオレンジの木々から漂う甘酸っぱい香りに包まれていて、心まで優しく満たされるようでした。
▼マラガ砦の公式サイト▼昨年、アルハンブラ宮殿を訪れるためにグラナダに行きました。▼アルハンブラ宮殿に関する記事はこちら