マウリッツハイス美術館では、現在、2026年2月12日から6月7日まで、特別展『BIRDS ― キュレーション:《五色ヒワ》&サイモン・シャーマ』が開催されています。
この展覧会は、カレル・ファブリティウスの傑作《五色ヒワ》(The Goldfinch, 1654)を起点に、英国を代表する美術史家・歴史家であるサイモン・シャーマがゲストキュレーターとして招かれ、人間と鳥の長く複雑な関係を、温かくも鋭く照らし出しています。
| Carel Fabritius, The Goldfinch, 1654, Mauritshuis |
ファブリティウスの《五色ヒワ》は、まるで今にも飛び立とうとするかのように、壁から静かにこちらを見つめています。ほぼ実物大で描かれたヨーロッパゴシキヒワ(Carduelis carduelis)は、全体的に淡い茶色の毛の中に、頭部に赤い斑、翼に太く明るい黄色の帯、黒と濃茶色の羽毛が混ざっています。レンブラントの弟子であったファブリティウスらしい、筆跡を残したラフで力強い筆使いが特徴です。
五色ヒワは小さな給餌箱の上に止まっており、片足が細い鎖で繋がれています。この鎖は鳥が少し動ける程度の自由を与えつつも、完全に逃げられないことを示しています。17世紀オランダでは五色ヒワは賢く芸を覚える愛らしいペットとして人気を博しましたが、同時に鎖につながれた姿は自由の喪失や儚い命の象徴として描かれていました。
展覧会では、この作品のすぐ隣に、15世紀のディルク・バウツ工房の宗教画《草のベンチに座す聖母子》(c. 1450)が並べられ、そこにも同じく足をひもでつながれた五色ヒワが登場します。
五色ヒワは小さな給餌箱の上に止まっており、片足が細い鎖で繋がれています。この鎖は鳥が少し動ける程度の自由を与えつつも、完全に逃げられないことを示しています。17世紀オランダでは五色ヒワは賢く芸を覚える愛らしいペットとして人気を博しましたが、同時に鎖につながれた姿は自由の喪失や儚い命の象徴として描かれていました。
展覧会では、この作品のすぐ隣に、15世紀のディルク・バウツ工房の宗教画《草のベンチに座す聖母子》(c. 1450)が並べられ、そこにも同じく足をひもでつながれた五色ヒワが登場します。
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| 左: Workshop of Dieric Bouts, Virgin and Child on a Grass Bench, c. 1450, Rijksmuseum Twenthe 右:Carel Fabritius, The Goldfinch, 1654, Mauritshuis |
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| 左: Workshop of Dieric Bouts, Virgin and Child on a Grass Bench, c. 1450, Rijksmuseum Twenthe 右: Carel Fabritius, The Goldfinch, 1654, Mauritshuis |
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| Workshop of Dieric Bouts, Virgin and Child on a Grass Bench, c. 1450, Rijksmuseum Twenthe |
五色ヒワの頭部にある赤い斑点は、キリストのいばらの冠から滴った血に由来するものだと言われ、五色ヒワはキリストの復活を象徴すると考えられていました。
展覧会『BIRDS ― キュレーション:《五色ヒワ》&サイモン・シャーマ』はこの「五色ヒワ」から始まり、世界中の鳥たちがマウリッツハイスに集まっています。

そして、その食卓の贅沢な装飾として扱われた鳥など。
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| Leonardo da Vinci, The anatomy of a bird's wing, c. 1512, His Majesty King Charles III |
レオナルド・ダ・ヴィンチの《鳥の翼の解剖》(c. 1512頃)では、人間が長年抱いてきた「空を飛ぶこと」への憧れが、精密な線で解き明かされています。

そして展覧会の締めくくりには、コンスタンティン・ブランクーシの《空間の鳥》(1932–40)が静かに佇みます。磨き上げられた真鍮の抽象形体は、飛翔そのものを体現し、鎖につながれた五色ヒワと向き合うことで、自由と束縛、憧れと現実の静かな対話を生み出しています。
この展覧会のゲストキュレーターを務めた英国の美術史家・歴史家サイモン・シャーマはこう言います。「鳥は私たちの憧れであり、羨望であり、時に残酷な欲望の対象でもある」と。
▼マウリッツハイス美術館公式サイト







