到着したその日、まず向かったのは港湾エリアに広がる遊歩道「パルメラル・デ・ラス・ソルプレサス」(Palmeral de Las Sorpresas、驚きのヤシの木立)です。
海沿いに伸びるこの空間に降り注ぐマラガの穏やかな日差しは、オランダの長い冬で凍てついた心と体を、やさしく解きほぐしてくれるようでした。
%5B1%5D.jpg)
2011年に完成したこの現代的な遊歩道は、単なる観光地を超え、都市と自然、海と人々が静かに調和する芸術的な場として設計されています。スペインの建築家ジェロニモ・フンケラ(Jerónimo Junquera)を中心とするJunquera Arquitectosが手がけ、港を再び市民の手に取り戻すプロジェクトの象徴となりました。
かつてフェニキア時代から都市の生命線であったマラガの港は、20世紀の工業化によって街から切り離され、市民の日常から遠ざかってしまいました。1990年代以降の観光復興の流れの中で、この場所は再び人々の憩いの場として再生されたのです。
かつてフェニキア時代から都市の生命線であったマラガの港は、20世紀の工業化によって街から切り離され、市民の日常から遠ざかってしまいました。1990年代以降の観光復興の流れの中で、この場所は再び人々の憩いの場として再生されたのです。

最も印象的なのは、海に沿って約400メートルにわたり続く白いペルゴラ(日除けの構造物)です。波のうねりを思わせる曲線的なフォルムが、光と影の繊細な対話を生み出しています。私には海のうねりというよりも、空を泳ぐ巨大な魚の骨格のように見えました。
![]() |
| 対岸から見るペルゴラ |
![]() |
| ペルゴラと並行して等間隔に並ぶヤシの木 |
ペルゴラに平行して、3メートル間隔で規則正しく植えられた約420本のヤシの木が、港沿いに延々と続きます。整然と並ぶこのヤシの並木は、地中海の伝統的な風景に洗練された現代的な雰囲気を加えています。

遊覧船の発着所や、スペインのサッカーチームのショップ、馴染みのカフェやレストランが並ぶ一帯は、観光客と地元住民が自然に交わる活気ある場所です。散策する人、ジョギングを楽しむ人、ベンチで語らう人々が織りなす風景は、街の息づかいそのものです。
私は白いペルゴラの下のベンチに腰を下ろし、ホテルからの道すがらスーパーで手に入れたチョコレートのお菓子をゆっくり味わいました。ヤシの葉ずれの音に耳を澄ませていると、氷点下の日々が続いていたオランダの日々が遠く霞んでいくようでした。




