*関連記事:神の手、ロダン~Rodin: Genius at Work @Groninger Museum in Groningen
2002年にアイントホーフェン・デザイン・アカデミーを卒業して、家具やオブジェクト、インスタレーション、ビデオ、パフォーマンスなど、さまざまなメディアを使って、精力的に活動しています。
アムステルダム国立美術館を訪れたことがある人は、彼の《おじいさんの時計》を見たことがあるかもしれません。それは大きな古時計のような箱状のもので、文字盤が内部にいる人によって書き換えられているような錯覚を得るものです。
2010年に、フローニンゲン美術館のレストランをイノベーションするにあたってバースを起用した縁で、今回の個展が開催されたそうです。
彼の作品には時間の経過による変化が根底に流れています。
May I have your Attention Please?, 2017 |
街角を凝縮したような作品。みんながぶつぶつ独り言を言っているような音が聞こえてきます。ホーンの高さも人間の高さと同じようにさまざまです。
第2章Close Parity |
緩やかな曲線でかたどられた家具が置かれています。そのどれもが下の狭く、上のほうが大きい頭でっかちのフォルムで、重力に逆らっているようです。こういうフォルムだと中に物を入れたらバランスを崩して倒れてしまうでしょう。
また素材もブロンズは、高価で重くて加工が難しいので家具には向いていません。親しみやすい家具のフォルムと正反対の性格をもった素材です。
同じ部屋にバースがこの家具のためのスケッチをしているビデオがありました。さらさらとなんのためらいもなく描くその線は簡明で、オランダのディック・ブルーナが描くミッフィーの線のようです。
第3章Baas is in Town! |
サーカスのような賑やかで楽しい音楽が流れる一角です。デザインの楽しさ、発想の自由さが表れています。
Tree Trunk Chair, 2016 |
自然を巻き込んだプロジェクト、Tree Trunk Chair。まだ小さい木の横に型を置いて、木が成長するにしたがってその型が木にめり込んでいって、椅子の形になるというもの。うまく木がそだってくれればいいのですが。
人間がちょうど入れるよな大きさの古時計が並んでいます。そのどれもがかわいらしいフォルムをしています。
すりガラスのようなアナログ時計の文字盤の向こうには人の姿が透けて見え、彼らが時間の経過とともに1分1分時計の針を描いては消して、描いては消していきます。次の一分がくるのが待ち遠しくなるので、いつもの1分がより長く感じられます。
この部屋にはほかにもデジタル時計や、紙に文字盤の判を押して時計の針を書き込んでいくビデオもありました。
下の写真はアムステルダム国立美術館にも展示されている時計のシリーズ。面白くてほんとずっと見ていられます。
5章Real Time |
人間がちょうど入れるよな大きさの古時計が並んでいます。そのどれもがかわいらしいフォルムをしています。
すりガラスのようなアナログ時計の文字盤の向こうには人の姿が透けて見え、彼らが時間の経過とともに1分1分時計の針を描いては消して、描いては消していきます。次の一分がくるのが待ち遠しくなるので、いつもの1分がより長く感じられます。
この部屋にはほかにもデジタル時計や、紙に文字盤の判を押して時計の針を書き込んでいくビデオもありました。
6章Clay |
手で粘土を弄ってつくったような色とりどりの扇風機が並んでいます。どれも子供が遊びで作ったような形をしてますが、ちゃんと羽が入っていて動きます。
機械生産による大量生産品にあふれた昨今では、このような手で作ったことがわかるいびつな製品は、生産も難しくまた購入者もいないためほとんどみかけません。(精巧な製品はありますが)
フローニンゲン美術館のカフェはこのクレイ・シリーズの家具が採用されています。彼の作品を実際に体験したい方はぜひフローニンゲン美術館のカフェも訪れてみてください。
7章Where There is Smoke... |
焼かれて真っ黒になった有名デザイナーによる家具が展示されている章です。上の写真はヘリット・リートフェルトの《ジグザグ・チェアー》を燃やしたもの。背後のディスプレイには、燃やしている様子を映し出しています。
燃やして姿をすっかり変えてしまった作品には彼の名前のタグが付けられ、バースの作品となっています。マッキントッシュやフランク・ロイド・ライトの作品などアイコンとなる作品も真っ黒に焦がされ、バースの作品へと変容されています。
8章Smoke |
ここにある作品はすべて燃やされたものですが、使えるように修理されているそうです。破壊と再生を経た作品のなかでには、オランダのインテリアブランド「Mooi」で買えるものもあるようです。
2017.02.18-2017.09.24
Groninger Museum
Museumeiland 1
9711 ME Groningen
The Netherlands
http://www.groningermuseum.nl/en
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