空間を魚拓する~Rachel Whiteread @Tate Britain in London

2017年12月4日月曜日

イギリス テイト・ブリテン ロンドン 展覧会

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テイト・ブリテンで2018年1月21日まで開催している展覧会、レイチェル・ホワイトリード。

彼女は女性として初めてターナー賞を受賞したアーティストとしても知られています。



彼女はコンクリートや樹脂、ゴム、金属などの工業用材料を、住宅などの内部に広がる「なにもない」空間に流し込んで、空間を抜き出した作品で知られます。

彼女の彫刻作品は住宅などの巨大なものから、身近にある小さなスイッチや水枕まで様々です。



彼女の抜き出した空間には、壁や床などの細かい傷が魚拓のように写し取られています。家は取り壊されたのに、内部空間だけが存在ているこの違和感。しかも移動可能で、展示に合わせて移動できます。

彼女は自らの製作方法を「空間や静寂の感覚をミイラ化する」と語っています。取り壊される運命である部屋の最後の姿、空間のデスマスクなのかもしれません。



表裏が反転して、エッシャーのだまし絵のようになった階段。



本棚。



近づくと小口のインクが写し取られていて、本好きな私としてはここにどんな本が並んでいたのか想像力が逞しくなってしまいます。



トイレットペーパーの芯。
2017.09.12-2018.01.21

Tate Britain
Millbank
London SW1P 4RG
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ミイル。ブログ Miruu 管理人。オランダ芸術や街散策を中心に、美術だけでなく建築なども含めた芸術について広く紹介します。 Twitter: ミイル@miirublog

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