印象派の父と呼ばれるマネに関する長年のモヤモヤが晴れた展覧会となりました。
私の中でマネの色と言えば黒。女性の豊かな黒髪や艶のある黒のサテンドレス、白いドレスを引き締めるベルトやリボン。
印象派のような軽やかな色彩で画面を仕上げることもありますが、それでも黒が彼の中で重要な色彩であったことに違いありません。
ただ、マネの黒を見て、どこかで見たことがあるという気がしていたのです。スペイン絵画のベラスケス等の影響だろうと納得しようとしつつも、ずっとずっと引っかかっていたのです。
フランス・ハルス《養老院の女性理事たち》 |
マネは1852年にオランダを訪れてアムステルダム国立美術館に行って以降、たびたびオランダを訪れています。それは1863年にオランダ人ピアニストスザンヌと結婚したことにもよるでしょう。
エデュアール・マネ、《フランス・ハルスの養老院の女性理事たち、模写》、1872年頃 |
1872年にフランス・ハルス美術館の前身となるハーレム市立美術館を訪ねた際、マネはハルスの《養老院の女性理事たち》を模写しています。構図や色彩がよく研究されています。
それから、ハルスが好んで描いた壺を使って、ハルスのようなルーズの筆触で描いています。
この記事のはじめに載せているのはハルスの作品です。しかし、暗い背景に黒い洋服を着た堂々とした紳士の姿はマネに通じるものがあります。
Frans Hals and the Moderns
2018.10.13-2019.02.24
Frans Hals Museum
Groot Heiligland 62
2011 ES Haarlem
http://www.franshalsmuseum.nl/en/
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